はじめに | |||||||||||||||||||||||||
旅番組で毎年のように出てくるスポットの1つに立山黒部アルペンルートがあります。富山県富山駅から立山連峰を越えて長野県信濃大町駅まで至る日本でも屈指の観光ルートだと思います。道中には高原地域・立山・黒部第四ダムなどと見所たくさんの観光地に加え、電車・バス・ロープウェイ・ケーブルカーと多彩な乗り物で乗り継いでいくのは日本でもここでしか楽しめないと思います。 テレビの『いい旅夢気分』で出てくるたびに家族全員で羨ましいなあと言い合います。当然ながら僕も行きたい場所NO1の地域ですが1つ問題があります。それはアルペンルートだけでも高い運賃です。富山地方鉄道富山駅からJR信濃大町駅まで通常運賃で10560円もかかります。そのほか、現地までの運賃やホテル代などを考えるとかなりの額になってしまいます。収入のない学生の身分ではそう簡単にいけるような場所ではないのですが、卒業してからそこそこ貯金もできたので、この夏は念願のアルペンルートに向かうことになりました。 |
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連休申請と予約 | |||||||||||||||||||||||||
アルペンルートに向かうにはまず連休が必要になります。確かに夜行バスで富山に到着し、長野側に通り抜けては特急&新幹線で1日で帰ってくることはできるのですが、やっぱり長野側で観光などしてゆっくりしたいですから初めて連休を申請することにしました。上司が決める休日で連休はめったにないのですが、申請をすれば取ることができます。結果としては簡単に取ることができたのですが、やっぱり若干緊張しました笑。 次いでは夜行バス。関西から富山への夜行バスはJRバスと阪急バスが運行しています。運賃は同じですが違うのは到着時間。JRバスの6:25に対して阪急バスは5:00と早く着きます。アルペンルート最初の乗り物である富山地方鉄道の富山駅始発は5:44(平日ダイヤ)。これに間に合うためには言うまでもなく阪急バスになります。阪急バスはこの夏の「黒姫高原&富山城」の旅で乗っていましたので予行にもなりました。ネットで予約してコンビニ発券すると指定された座席は同じく最前列でした。 続いては長野側の宿泊地をどうしようかと思います。長野側に着いての観光は信濃大町・安曇野・松本のどれかになります。信濃大町には温泉などが多く、ちょっと足を延ばせば白馬もあります。しかし、白馬にいってまた戻るとなると何となく時間の無駄な用な気がします。松本には国宝の松本城などがありますが、今回は外観だけだったら時間を調整して見ることはできるだろうと思いました。残るは安曇野。安曇野は散策するにはいい地だと思いましたのでここにすることにしました。晴れていたらサイクリングで巡るのも良いかもしれません。安曇野周辺では大規模なホテルなどはありませんので小さなホテルなどが多いみたいです。その中から「ビジネスインあずみ野」を選びました。 そして信濃大町駅から明石まではJR。特急&新幹線の乗り継ぎで松本〜名古屋の特急料金は半額にしました。新幹線は名古屋から米原までの自由席を利用すると言うことで運賃が高くなるのを抑えました。米原からは新快速ですが、夜ですし長浜からの乗客も少ないので座れないこともないと思います。 最後にアルペンルートのチケットを公式サイトのオンラインチケット販売コーナーにて購入しました。現地で買うことも出来るのですが、もしかしたら行列ができて遅れそうな気がしたからです。それに現地で大金を払うよりも前に払っておいた方が安心だと思います。なお、公式サイトでは扇沢〜信濃大町駅の路線バスは購入できませんので当日払いということになっています。僕は身体障害者割引を利用したのですがHPを見る限りはちょっと適用範囲がわからなかったので、アルペンルート側に単独利用でも適用でき、富山地方鉄道も割り引かれると回答をいただきました。代金はチケットが送られてきての宅配業者に代金引換となりましたが手数料は無料でした。 夏旅メインのアルペンルート旅。その前の3週連続の旅は「黒姫高原&富山城の旅」は阪急バスと富山駅周辺のチェック、「小田原城と伊東温泉の旅」では米原駅からの在来線で新快速の混み具合のチェック、と予行演習は全て終えて万全の体制で向かう事になります。 |
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再び富山駅 | |||||||||||||||||||||||||
出発は梅田の阪急3番街バスターミナルから。アルペン長野号と同じと思いきや最新型みたいです。テレビは液晶で字幕での案内つきでした。しかし、フットレストがなかったので足がちょっとリラックスできませんでした。やはり定刻前にドアは閉まり、定刻通りに発車して行きました。そして草津PAでやっとカーテンが閉まって消灯ですので、5時着なのに0時前に消灯はどうかなと思いつつ・・・翌朝5時前に富山駅に到着しました。気温は20℃、天気は・・・やがて雨になりそうな曇り空でした。。。この時間の富山市内は県庁所在地とは思えないほど非常に静かで、車も人もほとんどいませんでした。それでも駅はすでに動き始め、4:55発の大阪行き特急「サンダーバード」2号が発車していました。立山行きの富山地方鉄道が5:44に発車しますので、それまでにコンビニで朝食を買い求め、駅前で食べてから乗り込みました。その直前に「日本海」「北陸」、そしてボンネット型の「能登」が次々と富山駅に到着してくる様を見て嬉しかったものです笑。 富山地方鉄道ではオンラインチケットでのきっぷはそのまま改札に行けます。車両に乗り込みましては乗客は非常に少なく10人程度でした。オフシーズンを狙ったとは言え、雨でもありますから旅行を断念した人も多いんではと思いつつ。。。立山に向かえば向かうほど、雨雲は次第に厚くなっていきました、山に差し掛かるとポツリポツリと降り始め、立山駅に到着すると雨でした。。。やはり今年は雨男ですね。。。 |
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立山にて | |||||||||||||||||||||||||
6:34に立山駅に到着しました。ここからケーブルカーになるはずなのですが、点検と言うことで運休になり代わりにバスにて一気に室堂に運ばれるということになりました。つまり立山〜室堂直通の「マウントエクスプレス」と同じ経路になります。通常ダイヤでケーブルカー→高原バスは8:30着という所要時間と変わりません。いずれにしろ7:00ということで変わりませんので30分近く待つことになりました。立山駅周辺はすでにアルペンルートらしい雰囲気はあるのですが、雨が降っていますし、時間もあまりないということで遠くに行けませんから駅前でウロウロすることになります。売店にも入ってみましてお土産は充実していました。そこで目に入ったのがレインコート。折り畳み傘を持っているとは言えども、小さいですからリュックが濡れてしまうと思いました。リュックを背負ったままレインコートを着れば大丈夫だろうと思って購入しました。「立山」の文字入りのレインコートが1500円です。1500円は高いとは思いますが、レインコートにしては格安の範囲に入ると思います。 7:00になりましたのでバスに乗り込みました。1台だけで補助席以外の席は全て埋まりました。でも、アルペンルートなのにこれだけ?って感じにもなるんですが。。。しばらくは一般道路を走っていたバスは立山有料道路に入って行きます。この道路はバイクはもちろん普通乗用車は通行することが出来ません。つまりこの道路を運転してみたかったらマイクロバスを準備する必要があるんです。でも準備できても交通費は割高でマイクロバスで18900円、貸切観光バスでなんと50400円もかかります。立山から室堂までの交通費は4190円でかなり高いんですけれども何となく納得できるなと思いました。高度はどんどんあがっていきます。立山駅は475mだったのが美女平で977m、弥陀ヶ原にて1930mに達すると終点の室堂は2450mになります。わずか90分で2000mも上がると聞こえ方が若干おかしくなりました。天気は雨なのは仕方がないと思っていたのですが、想定外の景色が広がりました。それは“もや”です。今思うと山の上だから雲に突っ込んでもやが発生するのもおかしくはないですが景色まで見づらくなるのは想定外でした。弥陀ヶ原にてさらに乗客を乗せると補助席まで完全に埋まりました。一番後ろの席に座ってた僕ですが窮屈に感じられました。定刻よりもちょっと遅れて室堂に到着しました。 |
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室堂トレッキングへ | |||||||||||||||||||||||||
バスから降り立つとヒンヤリとしていました。温度計を見てみると12℃です。そしてかすかに硫黄の臭いが漂っていました。この室堂にて約6時間滞在することにしています。室堂ターミナルに隣接している「立山自然保護センター」でライチョウなどの情報を得たあと、とりあえず日本最高所の温泉である「みくりが池温泉」に向かいます。室堂ターミナルから外へ第一歩・・・雨です。。。早速レインコートの出番ですね。他のみなさんもレインコートを用意していましたので、室堂では傘はあんまりメインではないようです。 一歩出るとまずは山が見えるはずなのですが視界不良なので何も見えません。いつまでも渋々としても仕方がないので、「立山玉殿の湧水」で冷たい水を飲み、案内図を見てみくりが池温泉がある方角を確認して向かいます。歩いていくと遊歩道に出まして、やがて広場に出ました。ここには供養塔があり、この5mもある供養塔は5月までは雪に覆われているそうです。見上げるほどの高さなのでこのあたりの豪雪具合がわかるような気がします。「室堂平」としっかりとした文字盤が見ると晴れていたらここから見る立山は絶景なんだろうなあと思いつつ。。。早々と後にして腰辺りの高さまでしかないハイマツ地帯を通り抜け、やはり見えづらいみくりが池を越えてみくりが池温泉に到着しました。 みくりが池温泉は標高2410mに位置する日本最高所にある温泉として知られています。立山登山者や春・晩秋スキー客の宿泊先ともなっていますので、館内は山小屋の雰囲気が漂っています。日帰り入浴料600円を払うと入浴券代わりの記念コースターがもらえました。しっかりとして使いやすそうなコースターなんですがもったいないので使いません笑。館内の一番奥に大浴場があります。先客が2人いましたがほどなく上がって行きましたので僕だけが残ります。すると日本最高所の温泉を独り占めですよ笑。地獄谷からの引き湯は加水・加温は一切なしの源泉掛け流しで硫黄の臭いもします。外を見てみると断崖絶壁のようになっていて地獄谷への階段が長く続いていました。お風呂上りのあとはみくりが池温泉に併設している喫茶店で一息を入れます。外を見ると土砂降りに変わっているようです、、、こんな時に出て行く必要はないですのでアイスコーヒー(450円)を注文しました。そして立山山頂郵便局の消印が入ったはがきを送るべく数人に書きました。30分ほど滞在していると雨は小降りに変わったので地獄谷へ向かって歩くことにしました。 |
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みくりが池温泉を出て地獄谷への長い階段を降りてゆきます。長いとはわかっているのですが、どのくらい長いのかはもやではっきりと見えませんからすごく長く感じられました。急な階段にもなってますのでなおさら長くも感じられます。10分ほど下ってやっと階段が終わりました。そこはまさに硫黄の臭いが充満しているところで、濃度が濃くなると警報が出るそうです。そして「気管支系が弱い人は通行しないでください。この先は濃度が高いので素早く通り過ぎてください」との注意書きもありました。いくら健康な人でも長居すると危険だそうです。確かに臭いの強さは徐々にピークに達し、呼吸するのも苦しく感じられるほどでした。周囲はボコボコと気泡を発し、白い煙をあげる水たまりサイズの湧き水が所々にあり、草木は1本もないまさに地獄のような光景でした。注意書きのように長居をすると危険ですから写真もそこそこに地獄谷を抜けました。 地獄谷を抜けると空気が非常においしかったです。それほど地獄谷の硫黄臭がすごかったということです。地獄谷を抜けましては「雷鳥沢ヒュッテ」前を通って室堂方面へ進んで行くことにします。雷鳥沢ヒュッテなんですが、地獄谷から離れているとは言え煙がなびく方面に建っているので臭いは大丈夫なんかなあと思いつつ、次第に登りになり「らいちょう温泉雷鳥荘」前を通り抜けると雲が晴れました。雷鳥沢キャンプ場を眼下にそこから見上げる立山の雄大さというものは僕にとっては衝撃の一瞬でした。「これは登らないと。。。」次に立山に訪れた時は必ず登ってやると誓ったものでした。その後、「りんどう池」「血の池」「みどりが池」を通り過ぎるとやっと登りは終わって立山室堂のある「室堂山荘」に到着しました。みくりが池温泉から地獄谷から2時間もかかり、汗はびっしょり、体力はほとんどなく、呼吸もゼイゼイ状態でしたのでいかに運動不足であるか思い知らされたものです。 |
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立山室堂は日本最古の山小屋で1726年に建てられた山荘は重要文化財に指定されています。なお、隣にある山荘にて宿泊することができます。地図を取り出しましてちょっと離れたところに「玉殿岩屋」というのがありましたのでせっかくですから寄ってみました。ところが「寄ってみました」とはいうものの、僕以外は誰も歩いておらず、草も生い茂っている状態なので踏み外すと迷子になりそうな雰囲気でした。雨ですから靴はすでにずぶ濡れ状態です。滑りながら10分後に玉殿の岩屋に到着し、洞窟になっているのを利用して若干雨宿りをしました。みくりが池を出てから2時間以上経つのですが、やっとリュックを下ろせたんです。その間は飲まず食わずでトレッキング状態だったわけです。雨だから仕方がないのですがかなり疲れたものでした。玉殿岩屋は立山開山伝説にまつわる聖地でお地蔵さんや十六羅漢が安置されていました。そろそろ時間を気にする頃ですので引き返しました。その途中で視界に何か動いたような気がしたので目をこらしてみると「ライチョウ」が歩いていました。保護色みたいになっていてなかなか気づかなかったです。慌ててカメラを取り出しても去るのも早かったのでピンボケ気味になってしまいました。でも見ることすら難しいライチョウですので感激ものでした。室堂山荘に戻っては室堂ターミナルに向かいます。石畳のしっかりした遊歩道なので車椅子でも散策できるでしょう。ふと振り返ると再び雲が開けまして、立山の雄山を初めて見ることができました。それはまるでまた挑んで来いとメッセージを送っているようにも思えました。室堂ターミナルにたどり着いてはもう一度振り返った後に中に入りました。ターミナルに入ると立山の姿は見えなくなりますからね。外に出ていた時間は4時間ほどでしたけれども雨の中でもなかなか楽しいトレッキングでした。 | |||||||||||||||||||||||||
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室堂ターミナルに戻ったのは13時過ぎ。それまでに何も口にしていません。今思えば無茶なことをしたなとは思いますけれども笑。空腹なのでホテル立山のレストランに入りました。宿泊料金がすごく高いことから食費も高いとは思いますけれども、そうは言っておられませんから。。。もう昼時を過ぎていますからすでにガラガラでした。というよりもラストオーダーに近い頃です。ホテルのレストランらしくウェイターさんが丁寧に席まで案内してもらいメニューを見ては鉱物の海鮮丼セット(1700円)を注文しました。こんな高いところで海鮮丼はおかしいなと思いつつ笑。内容的にはちょっと割高に思いましたが、海産物を食べれたことで良しとしました。その後は、みくりが池温泉で書いたハガキをホテル立山に業務委託されている簡易郵便局に投函し、親にライチョウに会えた興奮から580円払ってレタックス(電子郵便)を初めて送ってしまいました。でも即日ではなくて翌日に届いたんですけれども。。。ほかに簡単なお土産を買ったりスタンプを押したりしてトロリーバスの発車時間まで思うままに過ごしました。 | |||||||||||||||||||||||||
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いざ黒部第四ダムへ | |||||||||||||||||||||||||
僕がアルペンルートに行きたかった最大の理由は黒部第四ダムを見ることです。いつも放水するシーンをテレビで見てじかに見てみたいなとよく思っていたものです。ところがこの日は雨、そして室堂トレッキング中でも晴れることはほとんどありませんでしたから、きっと黒部第四ダムでも見づらいんだろうなとちょっと力が抜けていたものです。ところが立山トンネルトロリーバスの改札上にモニターがあるのを発見しました。それに映っていたのは黒部第四ダムの生放送です。ここから今の黒部第四ダムの眺めはどんな感じなのか確認できるのですが、それを見て「ええ!!晴れてる」これは奇跡だと思いました。でも、ここから黒部第四ダムまで1時間ほどかかります。今は晴れも1時間後はわからんぞ、とあんまり期待せずに立山トンネルトロリーバスに乗り込みました。 立山トンネルトロリーバスは日本最高所の乗り物です。立山を貫いて室堂の2450mから大観峰の2316mをつないでいます。道幅はバス1台分ほどしかなく、ちょっとでもハンドルを誤ると壁にぶつかります。それでもかなりのスピードで走っていました。大観峰からと同時発車なので中間点で行き違います。14:15に発車して10分後に付くわけなのですが、かなり面白かったのであっという間に大観峰に到着しました。ちなみに乗客は15人程度だったので1台での運行でした。 ところで「トロリーバス」なんですけれども、エネルギーは上の電線から取っているので分類上は「電車」に位置づけられるんだそうです。 |
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大観峰は晴れていれば展望台から見下ろす眺めは非常に気持ち良いと思いますがここでは眼下は真っ白です。。。そして大観峰から出ることは出来ませんのでそのまま立山ロープウェイに乗ることになります。出発は14:40。15分の休憩なのですが、ここでしか買えないという「にごり酒 大観峰」を買いました。720mlで陶器の徳利とお猪口がついて2000円です。300lの小ビンが1000円ですので、どちらかというと720mlのほうがお得ですし、「大観峰」の名前が入った陶器は記念にもなると思います。そのほか、「こんにゃく鉄砲」というこんにゃくの中にごぼうが入った食べ物も買いました。 立山ロープウェイは大観峰(2316m)から黒部平(1828m)を7分で結び、途中で支柱が1本もないロープウェイとなっています。1回の定員が80名ということで、混雑している時は何台も連なって運行されるトロリーバスと違ってかなり待たされるんじゃないかと思います。途中で黒部平から登ってくるロープウェイとすれ違うのですがかなりのスピードでした。すれ違うとまもなくに雲の中に入って行きましたので眺めはあんまり楽しめませんでした。。。でも、上を見上げると大観峰がかなり上にありましたのでこの高度差はすごいなと思いました。 |
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黒部平は広場のようになっていて室堂から一気に行くとここで一息をできると思います。山々を背景に写真もいいんじゃないかと思うんですが、、、このように雨だと駅以外は傘が必携な場所ですのであんまり出歩けるような場所ではないです。そのまま次の黒部ケーブルカーに向かおうと思ったのですが、かなり行列がありましたので1便見送りました。長野側から登ってくる人も非常に多くてロープウェイにも行列ができ、黒部平はアルペンルートでは一番の賑わいでした。 そして黒部ケーブルカー。黒部平(1828m)から黒部湖(1455m)を5分で結び、景観保護のために全線地下を走る日本唯一のケーブルカーです。前の便は行列がすごかったので早めに並んでみました。ところが誰も並ばない。。。売店と改札口は離れていますのでポツンと取り残されたようなそんな感覚になりました笑。誰も並ばないまま乗車開始となり、ケーブルカーの最前列に座ったのですが依然として誰も乗ってこない。。。そしてありえないまま15:20発車して行きました。まさか840円もする乗り物を独り占めって、、、途中で登っていくケーブルカーとすれ違ったのですが、あちらはそこそこ乗っていましたので注目を集めたものです笑。黒部湖に到着して耳に異変が起きました。トンネルだったら音や声などの残響がかなりあるんですが何も聞こえないんです。500mも一気に降りるとこういうことになるんですね。乗客が僕1人なので黒部湖までの長いトンネルは寒かったです笑。15分ほど歩いてやっと外に出ました。 |
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外に出ますとまず右手に湖が見え、手のその先は絶壁のようにくぼんでいる感じに見えました。つまり、左手側が放水側なわけですね。どきどきしながら近づきました。僕にとってアルペンルートはこの一瞬のためにあると言ってもいいと思います。周辺には雲があるのですが、不思議なことにダムは晴れ上がっていました。非常に運が良かったのでしょうか。 ダムの柵から身を乗り出して下を覗き込んでみました。かなりの高度差があってスリルもありました。身を乗り出せるくらいの高さの柵ですのでちょっと危ないような気がしなくも無く。。。何枚も写真を撮りましたが、カメラを落とさないように気をつけつつ・・・これでもう満足ですが、ダム全体を見るために展望台に向かいました。雨が降っていて鉄板製の階段ですので滑りやすかったですが、そんなことよりも長すぎます。。。まずは放水口に近づける展望台(新展望広場)へ。ダムの放水に近づけるとあってその迫力を間近に感じることができました。次いではダムを見下げる感じの展望台(ダム展望台)へ。階段を登ってまた登って(黒部ダム駅から220段:所要時間10分です)・・・寒いんですけれども汗だくになってしまうくらい非常にきつい階段の連続でした。ここから見たダムは全体的に見渡せますので場所が違えばダムの見え方も非常に変わりました。またスタンプも手に入れましたので苦労は報われました。 放水は常に行われているのではなく、観光のためにされているそうです。なので4月末のアルペンルート開通時は放水はなく、夏から秋の限られた時間でしか放水シーンは見られないということになります。今回は9月12日ということで放水時間は16:30までです。ちょうどレストハウスに向かう途中で放水停止時間になりましたので見ていました。時間が過ぎると次第に水量は減っていきました。そして雲があたりを包み始め、放水が完全に終わるとダムは真っ白になってしまいました。このことからおそらくダムの毎秒10〜15平方メートルという放水による風圧で雲を寄せ付けなかったのではと思います。つまり、放水時間内であればダムを見ることは可能ではないかと思いました。 レストハウスには売店はもちろんのこと軽食なども取ることができます。しかし、時間は30分後の閉店に差し掛かっていましたのですでに閉店準備をしていました。何となく居心地が悪いのですが、建設の説明を展示しているくろよん記念室にも寄りました。しかし、いずれも残っているのは僕のみです。僕自身も早く出た方がいいかなと思っていたのですが、何となく従業員でさえジロジロと見るのでさっさと行って欲しいようなそんな雰囲気もありました。せっかく気持ちよく周っていたのに残念でしたから、後ほどの扇沢駅にてアルペンルートに関するアンケートを見かけましたのでこの点について一応書いておきました。 |
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前述の通りに居心地が悪かったので、次の関電トロリーバスは終電の予定より1本早め17:05に乗ることにしました。黒部ダム駅はトンネルの中にあります。10℃で肌寒いトンネルを抜けるとコンコースになり、そこにはトンネル壁に沿って長いすがずらーっと作られていました。きっとピーク期で大混雑していても全員が座れることでしょう。最初は僕以外は誰もいませんでしたが、その後登山帰りのパーティー3人とアルペンルートの従業員4人とともに関電トロリーバスに乗り込んで発車しました。途中で破砕帯を抜け、長野県に入っては16分後に地上へ出て扇沢駅に到着しました。扇沢駅でもトロリーバスを撮ろうと思いましたが、さっさと回送されてしまいました。。。 扇沢駅で34分待ちの17:55発の路線バスにて信濃大町駅に行くのですが、この34分が非常に長いです。売店も閉まってしまえば周りは何も無いので暇なんですよね。挙句の果てにはバスがなかなか来なくて発車直前にやっと来ましたから、もしも来なかったらタクシーになるのですからどのくらいお金がかかるやらと。。。何とかバスは来まして発車しました。扇沢駅の標高は1433mです。それが712mの信濃大町駅まで一気に下っていくのですから、耳は再びおかしな状態になったくらいでした。40分後に信濃大町駅に到着して、長年の憧れであった立山黒部アルペンルートは完乗・・・いや立山ケーブルカーを残して通り抜けました。ちなみに富山駅の初電に乗って、信濃大町駅の終バスで帰ってきたアルペンルートでもっとも遅くまでいたのは僕だけでした。 |
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安曇野・松本にて | |||||||||||||||||||||||||
今夜の宿泊場所は安曇野の中心地でもある穂高駅が最寄りにある「ビジネスインあずみ野」です。駅から歩いて10分ほどにあります。途中で西友がありましたので夕食の買出しに・・・近くにコンビニがないのでここでしか買う場所がないんですよね。。。結局、この土地ならではと考えたらおやきが普通に売ってあった以外はごく普通の食事になりました。仕方がないのでホテルへ。チェックインしようと思ったらすごく腰の低いお母さんが相手になってくれました。あまりにも腰が低すぎたので恐縮するくらい、、、そしてホテルの造りや内部も何となく家ですので、お客さんとして泊まる感じではなくて、お邪魔しますみたいな感じでした。ちなみに2階建てで部屋は2階に設置されていまして、お風呂場は1階にあります。ゲーム機とか娯楽関係は一切なく、飲み物の自販機がある以外はただ泊まるだけでした。なお、このホテルには居酒屋もありますので時間さえあえば食事はできます。とりあえずはくつろぎまして、お風呂も入ろうと思ったらやっぱり一般的な家のお風呂と同じ感じで照明のスイッチを押すことから始まります。でも風呂がまは大きいですし、洗い場も数ヶ所ありますからゆっくりとできると思います。っていうか、この日の宿泊客は僕だけみたいな感じで誰にも顔を合わせず、すっごく静かなホテルでした。。。 翌朝、ホテルを出まして安曇野散策に・・・雨です、、、晴れていたらレンタサイクルで周ろうと思っていましたが雨なので歩きで、、、重い荷物を背負いつつ、、、とりあえず大王わさび農場へ向かいました。穂高川沿いに歩いていくと途中で道が途切れてしまいました。長く歩いての行き止まりなので引き返すのもちょっと嫌ですから、ちょっと養殖池を横断。。。最初はアスファルトのきちんとした道でしたので、まさかこの先が途切れているとは誰も思わないでしょう。。。 歩いて歩いてやっとのことで大王わさび農場に到着です。 |
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安曇野といえば道祖神とわさび田が有名です。道祖神は安曇野のあちこちに置かれ、わさび田も途中でたくさん見かけました。大王わさび農場は安曇野の中でも一番有名な観光地みたいでたくさんの人が来ていました。入場料は要りませんので立ち寄りやすいのではと思います。わさび田自体は安曇野を歩いているとあちこち見かけましたけれども、ここは規模が非常に大きいわさび田でした。軽く回っていると折からの雨でムシムシしてきましたので、わさびソフトを食べてみました。味はバニラをベースにしてわずかにわさびの辛さが含まれているといった感じでした。変り種アイスは食べたことがない僕なのですけれども、かなりおいしかったです。またわさび田には安曇野の原風景みたいなところが残されていまして、映画の黒澤監督もここを「夢」のロケ地に選んだほどだそうです。 | |||||||||||||||||||||||||
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あちこち寄った後、再び穂高駅まで歩きます。やはり雨の中を歩くと靴がずぶぬれになって気持ち悪いです。。。まさか旅行に換え靴なんか持って行くはずがないですから、ここは我慢の。。。穂高駅の近くには穂高神社があります。穂高神社といえば奥宮が奥穂高岳の頂上に鎮座している神社です。とりあえず参拝して御船会館へ。ここでは御船祭りで組み立てられるお船が陳列展示されています。かなり大きな御船ですので、祭りのときに見たら圧倒させられるのではと思いました。 安曇野散策はやっぱり晴れているときの方がいいんじゃないかなと思いつつ13:47に安曇野を後にしました。 |
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14:17に松本に到着。16:42まで時間をとったのですが、そんなに余裕があるわけでもないので松本城はパスです。軽く昼食をとったあとに深志神社に向かいました。深志神社は僕が好きだったドラマ「白線流し」の舞台にもなった場所です。ドラマを見る限りではもっと広々としていたんですけれども、何となく狭いような。。。でも一応は間違いないと思いますので満足です。少し時間がありましたので、せっかくですから松本城を・・・やはり堂々としてかっこいいと思いますが、天主だけが残されている感じですので他の国宝3城と比べたら寂しい感が否めませんね。。。 明石までは「ワイドビューしなの」と「新幹線」の乗り継ぎです。長野駅を始発とする「ワイドビューしなの20号」。長野から来たときは所々空いていましたが、松本駅で指定席はほぼ満席になったみたいです。塩尻駅を過ぎると去年の中津川駅で長時間足止めさせられたことを思い出しました。あのときは塩尻駅を発車する前に「ワイドビューしなの20号」の追い越し待ちしていたのですが、1年後に乗っているとは思いませんでしたね。でも今回は何事もなくあっという間に名古屋駅に到着しました。名古屋駅ではいったん改札を出ることができます。でも、そんな力は残っていませんのでさっさと帰ることにしました。今回の新幹線は自由席で米原までの予定でした。でも自由席はほとんど乗っていなくて快適でしたし、疲れきっていたこともあって翌日の仕事に差しさわりがないように一気に西明石駅まで行くことにしました。米原〜西明石の新幹線での追加料金は1570円。米原から新快速でも2時間近くかかることを考えると、これくらいならばいいかなと思いました。 |
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終わりに | |||||||||||||||||||||||||
こうして長年の夢だった立山黒部アルペンルートの旅を終えることができました。しかし、雨の中にアルペンルートに向かうと山ですから、雲が非常に多くて景色を楽しめたかというとそうではありませんでした。それでも夏休みと紅葉の間のシーズンオフを狙ってですので、時期柄台風もやってくるのですから悪天候は覚悟すべきでしょう。なお、9月下旬に初雪がありまして10月になると雪が積もっていました。シーズン的には季節外れだったらしいのですが、9月中旬以降にアルペンルートに向かうと雪があることを覚えておかなければならないなと思いました。もちろん11月になるともう白銀の世界でした。 今回のアルペンルート旅で立山を登りたい気持ちを奮い立たせてくれました。来年の07年に再び訪れることを決意しながら。。。 (07年5月11日執筆終了) |