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黒姫高原&富山城の旅 (2006年8月29日〜30日)


 はじめに
 夏といえば高原。暑い街から避暑地で涼しくて美味しい空気が吸いたい!毎年、こう思いながらいつもかないませんでした。というのも、駅から高原へのアクセスを考えると日帰りでは非常に難しい地が多いです。じゃあいっそのこと夜行バスで朝の高原に行けば良いじゃないかと思い、今年こそは!と行くことにしました。
 やはりアクセスは悪い
 高原といえば信州。範囲は広く、山梨・長野・新潟と色んな高原を模索しました。山梨辺りは軽井沢・清里、長野辺りは斑尾高原・志賀高原、新潟には妙高高原などを候補にいれ、全ての高原と明石とのアクセスを考慮しながらスケジュールを立ててみました。すると、清里はクリスタルライナー利用で甲府から向かうとしてまあまあのんびりできる時間はありますが、帰りは中央本線経由となります。しかし、中央本線は後ほど夏旅メインとしている立山黒部アルペンルート旅での帰りでも通過しますので2度通過は面白くないなと思いました。軽井沢は千曲川ライナー利用で直接軽井沢に到着しても時間は限られる上、しなの鉄道経由となりますので金銭的にやや厳しいなと。斑尾高原や志賀高原はアクセス的に考えると少し時間が足りないかと思いました。

 残るは妙高高原。ガイドブックを見ると温泉もあってのんびりできそうだなと思い、さらに北陸本線経由で帰れば昼間の海岸線を見ることができますので一石二鳥ですからここにしようと決めました。目的地が決まれば次はアクセス。特にバスとのアクセスが大事ですから時刻表を開いて確かめてみると・・・考えられないほどアクセスが良くないです。駅前でだいたい10〜30分以上待たされることになり、これでは高原に着いて、そのバスで引き返されてはまた長時間電車待ちということになるんです。地方でのアクセスが悪いのは仕方がありませんが、これほどまでアクセスが悪いというのはバス会社側の考えがよくわかりません。。。

 ほぼ決まりかけていた目的地は一瞬にして崩れ落ちました。練り直しましては隣の黒姫高原に目的地を変えました。すると今度は上手い具合にアクセスがよく、しかも高原でもたくさん時間がありますのでのんびりとできます。温泉がないのは残念ですが、美味しい空気を吸えることを優先にしますのでこれはこれで良しとしました。

 明石への帰りは北陸本線経由となり、途中の富山駅で途中下車して、夏旅メインの立山黒部アルペンルート旅に備えて駅前に何かあるのか偵察を兼ねて富山城に行くことにします。

 そして丸岡城旅から始まった4週連続旅行週間の第2回目、兼、3週連続夜行バス利用の1発目となりました。
 アルペン長野号にて
 大阪梅田と長野駅を結ぶ夜行バス「アルペン長野号」は夜行バスデビューで利用した路線です。そのときは川中島バス担当。一夜明けての走行中の窓から外を見ると緑が広がっていて気持ちいい朝であったことを覚えています。あれから6年。再びアルペン長野号で向かうことになりました。

 アルペン長野号は阪急梅田駅1階のバスターミナルを21:50に発車し、途中京都駅を経由して翌朝6:45に長野駅に到着します。ルートは新御堂筋を行き、千里ICより中国自動車道、吹田JCTより名神高速道路、京都南ICで一旦降りて京都駅を往復、再び名神高速道路を東に行きまして、途中の草津PAで休憩、小牧JCTで中央自動車道に入り、長野自動車道を経て長野駅に至ります。

 定刻というか発車2〜3分前にドアが閉まってから本当に定刻に発車なんです。これには驚きつつ、、、梅田を出発の時点での乗客は半分くらいでしょうか。かなり空いているような気がしました。そして京都駅前で大量に乗り込んできましたのでほぼ埋まりました。そのまま消灯かと思いきや、客席と運転席を隔てるカーテンが全開のままでしたので、そのまま照明はついたまま走り続け、23:40頃に草津PAで休憩時にカーテンが閉まって消灯となりました。しかし、、、寒いです、、、、。クーラーが効きすぎなんですね。体を冷やしたら毒ですので、長袖のシャツに毛布をくるまって何とか眠りにつきました。
 翌朝の長野。天気は・・・今にも泣きそうな感じの曇り空でした。今日も雨なんでしょうか・・・
アルペン長野号
 黒姫高原へ
 長野駅を出発するのは7:48。1時間ちょっと時間があります。ここから善光寺へは行けない距離ではないのですが、着いてすぐに引き返すような感じだと思うのでちょっと近づきつつあたりを散策する程度で向かいました。朝の長野はさすがに静かです。7時を過ぎれば出勤とかでにぎわうのだと思いますが、まだ車はあんまり行き交っていませんでした。しばらく歩いていると西光寺というところに差し掛かりましたので参拝しました。西光寺は「絵解きの寺」として知られており、絵解きとは説教・唱道を目的とする、絵画を用いた文芸・芸能だそうです。つまり、仏教に関する絵画を見ながら、お坊さんが説明して仏教とはこういうもんだというのを簡単にわかるようにしたものでしょうか。確かに説教だけを延々と聞いても難しい言葉ばかりで分かりづらいので良いアイデアだと思います。時間が来ましたので長野駅へ戻ります。朝食がまだでしたので、駅そばを食した後に7:48に黒姫駅に向かいました。
 車内は通学の学生さんがたくさんいましたが、豊野駅を過ぎるとほとんどいなくなりました。8:23に黒姫駅に到着し、5分の接続で発車する黒姫高原行きのバスに乗り込んで向かいます。駅前は田舎町らしい建物があちこちありましたが、中心街を外れると家はすっかりなくなり道路の両脇は草の多い道となり、登りになると草から木となって高原と言う雰囲気があちこちと出てきました。8:47に黒姫高原に到着し、およそ20分で駅から高原に到着しました。

 黒姫高原でのバス停は終点は「黒姫童話館」前まで進みます。今回の黒姫高原では「コスモス園」を軽く散策することにしました。それだけなんですけれども、高原のヒンヤリとして美味しい空気が吸えればそれで十分なんです。ちなみに22℃ほどでしたので、長野駅前と比べて3℃下がっていたと思います。童話館前から引き返す形でコスモス園まで歩いて行きました。スキー場の夏はすっかり草原となっていまして、このときは牛たちがのんびりと歩いていました。街の喧騒などは一切ありませんでしたから、「そうそう!これが僕が求めている夏の高原なんだ」、と思いながら歩いているだけでも落ち着きました。

 コスモス園では満開時には100万本ほどあるんだそうですけども、今日の時点ではまだ早すぎますので2分咲きくらいだそうです。まあそれでも夏にコスモスというのは早取りした気分でいいですね。天気はあんまりよくはありませんでした、小雨も時々やってきましては木立の下で雨宿り、と上から目の前にポトリと落ちてきたものは栗でした。もう秋ですね笑。焼きもろこしを味わっては散策は終了。滞在時間は90分ほどでしたがスッキリとして黒姫高原を後にしました。
夏のスキー場は牛がのんびりと リフトにコスモス 300円でした
 直江津にて
 黒姫駅を11:12に発車する「妙高3号」にて直江津に向かいます。この「妙高」は昔の特急車両を使っていますので、リクライニングシートですし、トレーもあります。にもかかわらず、ガラガラというのは本当に贅沢な使い方だなあと思いました。まあ「妙高」は長野新幹線の接続列車という意味合いもあるんであえて指定席も設けるほど豪華な普通列車になっているのでしょう。
 ここでアルペン長野号で手に入れたパックコーヒーを取り出しては一息をつきました。アルペン長野号のドリンクサービスは伊藤園のコーヒーと緑茶がありました。最前列の助手席側にある冷蔵庫で自由に取って行ってください。二本木駅でのスイッチバックにおお!!と驚きながら12:12に直江津駅に到着しまして途中下車です。

 そして直江津駅に到着と共に信越本線北を完乗と言うことになりました。も実はこの線路を行くの初めてではなく、高校の修学旅行では北志賀竜王高原へスキー場だったため、団体列車にて明石から直江津経由で行きは妙高高原駅下車、帰りは長野駅から乗車というルートでしたので信越本線北は乗りつぶし済みですが、ひとり旅で、という意味でこだわるとやっと乗りつぶせたと言えるわけです笑。
ローカル線にはもったいない「妙高」 座席も普通列車らしくない パックコーヒーで一息
 直江津駅を出るのは13:22。かなり時間がありますので海へ向かってみました。海に向かって歩いていくと寺がちょっと多いなと感じつつ、「船見公園」というところにたどり着きました。天気はすっかり晴れになっていましたので、ここから見る日本海は青い空に白い雲がいいアクセントで画になっていました。そのほか、佐渡汽船のフェリーが入港する場面や「安寿姫と厨子王丸の供養塔」と『文月や 六日も常の 夜に似ず』という「松尾芭蕉の碑」があったほか、冬の日本海からの強風を防ぐための木組みを初めて見られましたので、短いながらも充実した直江津散策でした。
船見公園からみた日本海 人魚も海を見つめていました
安寿姫と厨子王丸の供養塔 海に面した側は冬の厳しさを夏でも感じさせます
 富山にて
 13:22に発車した電車は各駅に停まりながら15:14に到着します。発車の時点ではまだ昼食をとっていません。昼食をとれる場所がなかったこともあるのですが、富山の「ますの寿司」を食べたいのでそれまで我慢です。ちなみに直江津駅の売店でも「ますのすし」や駅弁を売っていましたが、「ますの寿司」は富山で購入すべきだろうと思いましたし、他の駅弁はちょっといまいち感がありましたので買いませんでした。そういうことで旅のお供のじゃがりこで膨らまします。
 ゴトゴトと北陸本線を下っていくと、時々北陸新幹線の高架橋も見えました。そういえば、今日のルートは北陸新幹線と同じルートをたどっていることになります。北陸新幹線が全線開業した時、今日のルートは全て第3セクターになるのでしょうか。。。いつの間にか新幹線高架橋はとある川の途中で切れたまま見えなくなりました。親不知海岸や黒部川を越え、富山地方鉄道線と並走したかと思えば15:14に富山駅に到着しました。

 富山駅に到着しましてはまずは「ますのすし」を買いました。1重1300円。駅のホームにあるベンチに座って開くとおいしそうです。ヘラみたいなのがついていますので、それでケーキみたいな形に切っていただきます。さすが全国の駅弁で上位にランクインする味ですね。シンプルなんですけれども非常においしいです。半分食べたところでちょっと満腹になってきました。でも保存が効くそうなので、暑いところに放置さえしたければかなりもつんだそうです。後ほど食べることにして改札を出ました。
富山と言えば「ますのすし」 木と竹を使った頑丈な容器でした シンプルですが味は最高です
 富山駅で途中下車した目的、そして行きは阪急バスを利用した最大の目的は、立山黒部アルペンルート旅での慣らしです。アルペンルート旅でもまずは富山に来るのですが、そのときも阪急バスにて行きますし、立山へむかう富山地方鉄道の駅がどこにあるのかや付近にコンビニ等があるのかも知るためでした。まあ簡単に済ませまして、富山城に向かってみます。しかし、富山城はどっちかというと分かりにくい場所にあるなあと思いました。というのも、この方面にあると標識があっても、この方面には道路が3本くらい延びていましたので、どの道路を行けば富山城にたどり着くのか分かりづらかったのです。結局、僕が選んだルートが正解でしたが、もう少し詳しく説明して欲しいなと思いましたし、富山城は積極的に宣伝しているようには思えませんでした。

 富山城に到着しました。そもそも富山城は昭和29年に開催された富山産業大博覧会の記念建築物として建てられた模擬天守閣なので小さな天守でした。中は郷土博物館となっており、富山城と歴代城主について簡単な説明がありました。しかし、思ったよりも出来栄えが良かったので感心しました。最上階は展望台にもなっているのですが、周りはホテルやらビルに囲まれているので眺望は今ひとつと言った感じです。

 富山城だけだったのですが、時間が来ましたので富山駅に戻ります。富山駅発長浜行きは17:05に発車して21:52に到着する、約5時間にも渡るロングランです。執筆時点では直流化工事が完了したために、この列車は敦賀までになってしまいました。途中で金沢と福井の県庁所在地駅を通過するために人の入れ替わりが激しかったですが、疲れがここで一気に出てきたためにほとんど寝ていました。。。そのおかげで長浜に到着するころは疲れも和らいだのですが、今では敦賀で下ろされますからロングラン列車の醍醐味がまたひとつ失われることになりました。まあ、旅人よりも通勤通学客の方が優先でしょうけれども・・・。終電、また終電と終電の連発で明石にたどり着いたのは日が変わってからでした。
小さな富山城 富山駅前、2週間後に再び
 終わりに
 2週間後の立山黒部アルペンルートへの練習という意味でもあった今回の旅。阪急バスに富山駅前の2つの得たい情報を一気に手にすることができました。ただ、富山の情報収集はどちらかといえば、ますのすしと富山城にしか時間がなくて不足感が否めませんでした。それでもやらなかったよりはマシだろうと思います。

 黒姫高原に関してはコスモスがちょっと早すぎたと思います。でも、もともとコスモスよりも高原そのものが目的でしたし、コスモスがあったのがラッキーだと思います。黒姫コスモスは有名のようで閑散としているかなと思ったら、観光バスが続々とやってきて賑やかになりました。きっと満開期にはもっと賑やかになっているのではと思います。

 これで未観光県のひとつであった富山を観光することができましたが、やっぱり富山駅前に限ると観光するところがほとんどないです。高岡だとか黒部だとかのほうが観光資源が豊富だと思います。きっと富山市民の方が見たらもっと見所があるとお叱りを受けると思いますが。。。

(06年12月20日執筆)







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