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2大聖地を1日で参拝の旅(2004年8月21日)


 はじめに
 関西を代表する2大聖地である「比叡山延暦寺」と「高野山金剛峰寺」。それは同時にスルッとKANSAIで行けるもっとも標高の高い地域でもあります。また、2つのお寺はかなり離れていますが、調べてみたところ1日で巡るのは不可能ではないだろうと思っていましたが、今春に比叡山の裏ふもとにある坂本と比叡山を結ぶ坂本ケーブルがスルッとKANSAIに加入したことによって、スルッとKANSAI3dayチケットが利用できることになり、さらに柔軟なスケジュールが組み立てることができるようになりました。比叡山へは三条京阪駅などから京阪バスを利用して登ることができていたのですが、本数の少なさや時間が非常にかかることからやや難しくなっていました。もちろん「行くだけ」ならば夕方発でも間に合うのですが、「参拝」をしないとお寺を巡る意味がありませんから、閉門が16:30ころと思われますのでそんなにのんびりとすることはできません。
 スケジュールはその都度に記載しますが、まずは比叡山、ついで高野山の順に巡ってきました。
 比叡山へ・・・
 今回利用したのはスルッとKANSAI3dayチケットですから、全て私鉄で乗り継ぐためにまずは京都まではJRに比べて大幅に時間が必要となります。そういうことで、東二見駅の直通特急の始発から阪神梅田駅へ向かい、地下鉄で梅田駅から淀屋橋へ、淀屋橋駅から京阪電車を利用して三条京阪駅へ、京阪京津線と石山本線を乗り継いで坂本駅へ向かいました。近代的な感じの坂本駅は近畿の駅百選に認定されています。
 京阪京津線は、地下鉄から峠越え、路面電車と3つの顔が出てきて電車マニアではなくとも乗っていても面白いですから、なんとか廃線の危機を脱出して欲しいですね。
2両編成の石山本線車両 近畿の駅百選 坂本駅
 坂本駅からケーブル坂本駅までは徒歩になります。バスもあるのですが、時間的には観光客があまりいない時間帯に到着しましたので歩くしかありません。でも、そんなに遠くはありませんから歩いた方がよいかもしれませんね。坂本の町は比叡山の門前町として発展していますので多くの寺院があり、また穴太衆積みという美しい石垣の参道などがあちこちにあります。観光したい気持ちはあったのですが、高野山に間に合うかが気がかりでしたので今回は断念することにしました。
 坂本ケーブルの売りは「長さも眺めも日本一」ということです。確かに乗車時間が11分もあるというのは長いですね。それにもかかわららず、途中で行き違い設備があり、きちんともう1つの車両と行き違うことができましたのですごい技術力だなと思いました。また、途中に2つ駅があるのも珍しいと思いますが、普段は通過していくそうです。車内はスケッチブックを持参している小学生で混雑していました。何だろう?と思っていたら夏休みは毎日、写生画コンクールが開かれ、21日は唯一指導が付く大写生大会だったからでした。かなりにぎやかでした。ケーブル延暦寺駅はこれまた近畿の駅百選に選ばれています。
ケーブル坂本駅 カラフルでレトロ調な車両 近畿の駅百選 ケーブル延暦寺駅
 比叡山延暦寺は伝教大師最澄が開いた天台宗の総本山ですが、鎌倉仏教を開いた他宗の宗祖もここから出ていますので、天台宗の功績はすごいのではと思います。比叡山へは2回目となり、前回は東塔、西塔、横川と全てを訪れましたが、今回は中心地である根本中堂のみ参拝しました。やっぱり延暦寺が1200年以上守り続ける不滅の法灯をはじめ、荘厳な雰囲気から身を引き締める思いにさせてくれます。また、根本中堂の表にある急な階段を登った先には文殊楼があります。この文殊楼は階段の傾斜が非常に急なので手すりを備え付けてくれなかったら転落しそうなほどです。
根本中堂 文殊楼
ここまでのスケジュールは・・・
 東二見(5:36)→山陽電車・阪神電車直通特急→阪神梅田(6:46)→徒歩→地下鉄梅田(6:50)→淀屋橋(6:53)→徒歩→淀屋橋(7:00)→京阪電車特急→京阪三条(7:50着、7:57発)→京阪京津線→浜大津(8:20着、8:23発)→京阪石山本線→坂本(8:39)→徒歩→ケーブル坂本(9:00)→坂本ケーブル→ケーブル延暦寺(9:11)

 高野山へ・・・
 比叡山からの下山には京阪バスを利用して三条京阪に向かいました。山道を1時間かけてゆっくりと降りていったのですが、京都市街に入る直前は道も狭いうえに交通量も増えますので運転手さんも大変だと思います。
 三条京阪駅からは阪急河原町駅まで歩き、そこから特急に乗車して梅田駅へ、地下鉄御堂筋線に乗ってなんば駅へ。そして南海難波駅から急行にて高野山に向かいます。南海線はどちらかというとローカルな雰囲気が漂い、さらに橋本駅を過ぎると完全に田舎の風景になり、次第に山の中へゆっくりと進んでいます。よく考えたら、ちょっと前まで大都会に居た車両が、傾斜が急になっていく山の中をゆっくりと進んでいく様子を見ると頑張っているなあと思います。急行は極楽橋駅まで進み、ケーブルカーに乗り換えて高野山駅に到着します。高野山駅も近畿の駅百選に選ばれています。
 ちなみに極楽橋駅の「極楽橋」とは極楽橋駅に到着する直前に進行方向に向かって右手に架かっている赤い橋のようです。極楽橋駅の改札を出ても何もありませんから、改札口から出る人はあまりいないでしょう。

都会から田舎へ・・・ 誰も出ない極楽橋駅 南海ケーブル 近畿の駅百選 高野山駅
 高野山駅から南海りんかんバスに乗車し、奥の院前まで向かいました。普通のお寺は奥の院というとあまりメインに感じなさそうなのですが、高野山だけは非常に注目されているんですよね。というわけで、向かうのは金剛峰寺ではなくて奥の院ということにしました。奥の院バス停に到着したのは16:11です。ちょっと急いで・・・
 高野山金剛峰寺の奥の院へ向かう参道にはさまざまな慰霊碑や歴史上人物の墓があります。これは比叡山では見られない光景です。あまりにも壮観な光景に畏怖してしまうと思います。灯篭堂の裏手には弘法大師空海が眠っており、これが多くの人が詰め掛ける理由だと思います。高野山金剛峰寺は四国88ヶ所霊場の結願の地でもありますから、お遍路さんの最後の訪問地としてやってきていました。僕もいつかは四国88ヶ所めぐりをして再び訪れたいと思っています。
杉に挟まれた参道 御廟橋より灯篭堂を望む
ここまでのスケジュールは・・・
 延暦寺バスセンター(10:48)→京阪バス→三条京阪(11:48)→昼食と休憩を含めて徒歩にて阪急河原町駅へ→阪急河原町(12:48)→阪急電車特急→阪急梅田(13:33)→徒歩→地下鉄梅田(13:40)→御堂筋線→なんば(13:49)→徒歩→南海難波(14:00)→南海電車急行→極楽橋(15:38着、15:41発)→南海ケーブル→高野山(15:48着、15:55発)→南海りんかんバス→奥の院(16:11)

 まとめ
 明石までの帰りはゆっくり帰りましたが、奥の院に到着した時点で閉門準備を始めていましたので、参拝するには本当にぎりぎりの時間でした。明石から比叡山と高野山の2つを巡るにはハードスケジュールにならざるを得ないのですが、大阪近郊から始めるともっと余裕ができることでしょう。しかし、比叡山→三条京阪のバスは10:48が始発ですから、比叡山のアクセスをいかに工夫するかが同日参拝できるかの分かれどころだと思います。毎時30分に1本発車する坂本ケーブルを往復利用するのもいいと思いますが、裏側から周ることになりますので時間的なロスがどうしてもでてきますからご注意ください。

 また、今回巡ったルートの正規運賃は・・・
山陽電車&阪神電車:東二見〜阪神梅田=¥1060×2=¥2120
地下鉄:梅田〜淀屋橋=¥200
京阪電車:淀屋橋〜三条京阪〜坂本=¥920
坂本ケーブル:坂本〜比叡山=¥840
京阪バス:比叡山バスセンター〜三条京阪=¥800
阪急電車:河原町〜梅田=¥390
地下鉄:梅田〜なんば=¥230×2=¥460
南海電車:難波〜極楽橋〜高野山=¥1230×2=2460
南海りんかんバス:高野山〜奥の院=¥400×2=¥800
 となり、合計して8990円です。この1日でスルッとKANSAI3dayのチケット代のもとを軽く取りました。








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