特集:鶏鉾

2003年の祇園祭はなぜか鶏鉾をよく追っかけていました。
写真もよくありますので特集を組んでみることにしました。
鶏鉾町に属する池坊短期大学東門側に過去の巡行で使われた扇子などが展示されていました
鉾車 扇子
太鼓
鉾建て(10日〜)
鶏鉾が建てられる目印として4つの石が普段から道路に埋め込まれています
 7月10日になると鉾建てが始まります。鉾建ては1日では完成せず、2日かけて建てられます。鉾建ての時点では前掛け、見送りなどの飾り物は取り付けられませんでした。
曳き初め(12日14時半〜)
この日から飾りが取り付けられます 車方さん
音頭取りさんも乗り込みいよいよ曳き初めです 音頭取りさんも真剣でした
 曳き初めは当日の巡行に曳くことができない人も参加できます。申し込みなどの必要はなく、飛び入りで引き綱を持ってください。鶏鉾は引き綱が特に長いので参加しやすいと思います。また、何度も何度も往復しますから最初の曳き初めには参加できなくとも3往復目くらいには簡単に参加できると思います。
 音頭取りさんと車方さんの合図で一斉に曳いてください。大きな鉾を曳いていることに喜びを感じられることですのでぜひ参加してみてください。

 曳き初めが終わると翌日からの宵山の準備に取り掛かります。
宵山(13日〜16日)
昼から多くの人でにぎわいます
昼間の鶏鉾 駒方提灯に照らされた鶏鉾
 宵山は13日からはじまります。朝から会所は開かれますので、縁起物を買い求めたり、鉾に上ったりする事ができます。歩行者天国の始まる夕方と比べて人が少ないのでゆっくりと見学することができます。
 17時から四条通は歩行者天国となり、1日10数万人の人出があり各地からの見物客で賑わいます。四条通より南側はほとんどで一方通行となり、鶏鉾はその一方通行の終点ということもありますので鶏鉾の祇園囃子を聴くとほっとさせられます。
山鉾巡行(17日9時〜)
 河原町通りの鶏鉾です。やはり山鉾巡行が晴れ舞台ですから音頭取り、囃子方、車方、曳き子の皆さんは張り切っています。最初の辻回しを終えてホっとしているところだと思いますが、まもなく御池通りに差し掛かります。このあと、御池通り→新町通りになります。
 四条通りの巡行は山鉾巡行の本番ということもありますが、八坂神社の御前でもありますので色んな意味で緊張するようです。祇園囃子も厳粛な音色を用いられますが、辻回しを終えてからは町衆で祇園祭を楽しもうということで音色は明るくなり多少はリラックスできると言われています。
 2001年の新町通りの巡行の様子です。かなり狭い通りですので1mもない目の前に鉾が通っていくためダイナミックな巡行を見ることができます。そして古い町屋が残されていますので、昔ながらの山鉾巡行を実感できることもあり、人気のあるスポットの1つにあげられます。
 ここで屋根方さんの出番です。真木が電線などに当たらないように確認しつつ、鉾が家にぶつからないように足で蹴ったりして微妙な調整をすることがあります。出発からここに至るまで2時間ほどかかるのですが、水分補給はできるものの日よけはありませんから一番体力が落ちた時に初めて出番が来るわけで一番酷な役割でしょう。
辻回しに備えて滑り用の竹を並べています。 前輪が竹の上に来るまで曳きます。
音頭取さんは4人になり鉢巻を締めます 音頭取さんの合図で一気に方向転換します
 鉾ケ辻での2003年最後の辻回しです。鶏鉾と菊水鉾は鉾でも最多の6回の辻回しが必要となります。辻回しは通常、3〜5回ほどに分けて90度方向転換します。最後の力を振り絞って・・・・思わず「オーーー」と口に出して叫んでしました。というのも、なんと1回で成功したからです。僕は何度か辻回しを見ていますが、このような場面は初めてでその感激さに撮影することを忘れてしまったほどです。
 町会所に戻ってきても囃子はしばらく奏でられます。そして演奏が終わった時、大勢の人から拍手が起こったことは言うまでもないですね。後日に反省会のような集まりはありますが、鶏鉾の祇園祭はとりあえず終了しました。お疲れ様でした。なお、鉾は直ちに解体され、夕方には骨組みしか残りません。翌日の朝からその骨組みも解体され、昨日は山鉾巡行があったのかと思うほどいつものように暑い京都の街に戻っています。
祇園囃子はまだ続いている
町会所まであと少しの船鉾
新町通りにもどってきた南観音山 町会所に戻ってきた北観音山
 鶏鉾の山鉾巡行が終了しても後続の山鉾には、(長刀鉾→函谷鉾→菊水鉾→鶏鉾→)月鉾→岩戸山→船鉾→放下鉾→南観音山→北観音山の順で続いており、新町通にはまだまだ山鉾巡行は続いています。(舁き山は必ずしも新町通りを通るのではなく、室町通りや烏丸通りを通ることが多いです。)
 山鉾巡行の最後を行くのは南観音山ですが、新町通りでは逆に北観音山が一番最後になります。つまり、北観音山の囃子が終わることによって山鉾巡行は終了します。山鉾巡行を惜しむ多くの人が駆けつけ、曳き子さんや町会所の人々はもちろんのこと、一般見物客と一緒に締め拍子で全体の山鉾巡行に終わりを告げます。
 締め拍子が終わった後、また1年後かと思うと寂しさでちょっと目頭が熱くなりました。祇園祭は山鉾巡行だけではないとわかっていながらも、やはりクライマックスを終えたかと思うと寂しくなるものですね。京都の街は山鉾巡行を境に本格的な夏の暑さを向かえることになります。


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