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 思い立っての松山旅(2004年10月14日〜16日)


 はじめに
 北海道・東北リベンジの旅から半年が過ぎました。この間は色々と動き、パートながらやっと仕事を得ましたので軌道に乗ることが出来ました。仕事は得たものの年中無休のスーパーという立場上、連休と言うものは今のところありませんので、旅行は当分の間お預けか・・・と思っていました。ところが13日にもらった10月度のシフトを見ると、9月度の最終日(10月15日)と10月度の初日(10月16日)は連休になっているとわかり急遽旅立つことに決めました。悲しいかな給料はまだもらっていませんので、あまり豪華な旅はできません。そういうことで前々から暖めていた博多ラーメンを食べる旅は今回はあきらめ、第4の好きな街である愛媛県の松山市に向かうことにしました。
 ちなみに松山が好きな理由は、僕が好きなあらゆる要素が詰まっているからですね。松山城に道後温泉、石手寺、路面電車にと市内だけでも非常に楽しめるんですよね。ついでに第1位は言うまでもなく京都、準1位に奈良、2位に北海道、3位に長野、5位に青森と・・・・

 簡単なスケジュールとして14日の夜に六甲アイランドからダイヤモンドフェリーを利用して松山観光港へ、帰りの15日晩に関西汽船を利用して大阪南港へ向かうと言うものです。

 今日ですか?!
 13日にシフト表をもらい、その日の晩に行くと決意表明。最終的に行くかどうかはフェリーチケットをゲットしたらの話です。14日に仕事を終えると、いつものJTBトラベランドの明石店へ行きました。あらかじめ記入しておいたメモを見せて発券手続きを取ってもらい、無事にゲットできましたので行くことが決まりました。アスピア明石にあるスーパーで買い物したあと、バスに乗車してもう一度チケットを見たところ・・・「11月14日発・・・」今日じゃない!!と気づいて発車直前に慌てて降りました。
 もう一度トラベランドへ行って変更してもらいました。「今日ですか?!」そりゃあ驚くのも当然ですね。発券してもらった人とは違う人に申し出たのですが、発券してもらった人がすぐに気づいて慌てていました。きちんと確認していなかった僕が悪いのですから居心地が悪かったですね・・・変更するんだから手数料が必要なのかと思ったら、逆に150円が返って来ました。燃料油価格変動調整金が導入される前に乗船ということですからその差額分でした。

 ダイヤモンドフェリーにて
 ダイヤモンドフェリーの乗り場は六甲アイランドから。大阪南港へはニュートラムがあって非常に行きやすいのでよく行っているのですが、六甲アイランドは六甲ライナーの北口駅から歩くと30分くらいかかってあまり行きやすいとは言い難いので久しぶりになります。送迎バスはJR住吉駅のそばの国道2号線から。木曜日ですので少ないかと思いきや10人くらい集まっていました。10人でも少ないですが・・・さて乗車と思ったら1人が降りてきました。大分を朝に出発した便の乗客なのかもしれませんね。
 ターミナルに到着するとフェリーは待っていました。今日の担当はスターダイヤモンドで、今回利用するのは2等です。神戸六甲アイランド発のフェリーは過去に3回あったのですが、いずれも雑魚寝を選択しています。過去の経験から平日ですから広々としたスペースを確保できると思っていたからですね。毛布は貸し出しで50円って安すぎますね。では恒例の船内探検はと・・・すぐに終わりました。なぜならば公室が全部1ヶ所に集まっていて動けるところは少なすぎるんですよね・・・仕方がないので甲板に出て星を見ていましたら流れ星が2発。フェリー上での星空は都会よりも暗いですからきれいに見えます。夜が更けてきた頃に、1ヶ月よく頑張ったと自分で褒めて晩酌をし、その後、誰もいない展望大浴場で体を温めた後明日に備えて眠りました。
 4時、5時、6時になぜか一度目が覚めました。フェリーの上では本当に早起きができるものです。普段から寝坊癖がすごいんですけど、今まで慌てたことがありません。新日本海フェリーで舞鶴発小樽着が朝の4時だった時もちゃんと起きれました笑。今日はちょっと寒いですが快晴。いい旅行日和です。スターダイヤモンドはほぼ定刻に松山観光港に着岸しました。松山観光港には8時前に到着ですが、そのまますぐに観光に移ってもまだ開いていないところが多いですから、1時間ほどのんびりしました。松山観光港に上陸するのは「ほわいとさんぽう2」以来2度目ですが、その間にターミナルは改修していてきれいになりました。大型テレビも2台設置していますので退屈だとは思わなかったですね。

スターダイヤモンド 松山観光港のターミナル
 松山をウロウロと
 通勤ラッシュを避けて9時過ぎにターミナルを出発しました。最寄り駅の伊予鉄道高浜まで歩いて、朝の気持ちよい潮風を感じながら松山市内へ向かいました。。。
 松山市駅に到着したらとりあえず路面電車に乗車して道後温泉に向かいウロウロとしました。

1、愛媛県立歴史民族資料館
・・・主に農具や土器などについては詳しく展示しており、日露戦争で活躍した秋山兄弟のコーナーもありました。

2、愛媛県立博物館
・・・ここはなんといっても剥製だらけです。陸海空の動物剥製があり、剥製に興味がある人にはうってつけの博物館だと思います。他にも鉱物の展示も豊富です。そういうことで歴史関係については県立博物館にしては珍しく何もありませんでした。

3、湯築城資料館
・・・セットで展示されている武家屋敷では江戸時代前の武家の様子が細かく復元されていました。この時の展示では村上水軍など海賊の城についての説明展示があり、「海城」という陸地とは違う特徴的な城について興味を持ちました。

4、松山市立子規記念博物館
・・・松山出身の正岡子規についての博物館です。生い立ちからその生涯を展示していました。正岡子規といえば「野球」という言葉を作ったことで知られていますが、他にも現在でも使われている野球用語がいくつかあります。歌人としての正岡子規は、一般的に素晴らしいと評価されている中世歌人の詩を徹底的に批判していたことに驚きました。でも、批判することで新しい何かが生まれることでしょうから、今になって思えば正岡子規の考え方は素晴らしいものだと思いました。

5、石手寺
・・・ご存知、四国88ヶ所めぐり第51番霊場です。道後温泉にもっとも近い霊場ですので、バスや徒歩などでもついでに寄る事は可能です。ただ、交通量が多い中、歩道はほとんどありませんのでご注意ください。休憩所そばに戦争反対の千羽鶴にご協力くださいと書かれていましたので久しぶりに折りました。また、自分が認める自分のいいところ(例:困った人がいたら助けずにいられない)、あるいは自分が認める自分が悪いところ(例:浪費が激しい)を紙に書いて納めることもできます。僕は悪いことで「優柔不断」と。。。笑

 こんな感じですね。これだけで1日もかかったのか?と思うとそうではなく、1箇所にいる時間が非常に長かったですし、移動もほとんど徒歩でしたのでこれがいっぱいいっぱいという感じです。

坊ちゃん電車 道後温泉駅 石手寺
 坊ちゃん泳ぐべからず
 松山観光の締めはもちろん道後温泉本館ですね。日本最古の温泉として知られ、夏目漱石の「坊ちゃん」が松山で唯一好きな場所です。
 塩素を含んでいるというショッキングなニュースがあったばかりですが、潔く「行政の指導により塩素を注入していますが、お客様の安全のために注入していることをご了承ください。また代替案などがあれば検討していきたいと思います。」のような包み隠さずに貼り紙をしていることに立派な心構えを感じました。何よりも塩素を入れて終わりではなくて、他の方法を考えていることにちょっと感動しました。でも、僕としては重要文化財の建物に入浴することに意義があると思っていますのであまり気にしていません。
 さて、道後温泉本館の入浴方法には4つのランクがあります。
神の湯階下・・・神の湯に入浴のみで地元の人がよく利用する。300円。
神の湯2階席・・・大広間にて休憩とお茶に煎餅付き。620円。
霊の湯2階席・・・専用浴室で入浴者数が少なくてのんびりと。広間とお茶、煎餅付き。980円
霊の湯3階個室・・・3階の個室を利用できる。坊ちゃん団子にお茶付き。1240円
 このように4ランクあります。霊の湯(たまのゆ)3階個室が一番贅沢なわけで、一種の憧れみたいなものですね。「坊ちゃん」は40円の月給で、8銭の3階を毎日行っていたそうです。3階というのは個室しかありませんから、毎日3階個室で入浴していたということですね。現代の換算ではで月30日とすると坊ちゃんがひと月に温泉にかける経費は37200円ですか・・・僕は神の湯階下が今の身分としては妥当でしょう笑。
 そして坊ちゃんは湯船で泳いだそうです。泳げるのか?と思うのですが、入ってみるとわかります。「深さは立って乳の辺まであるから・・・」と書かれているようにかなり深いんですよね。肩まで浸かろうと思ったら背筋を伸ばして肩を壁に当ててバランスを取らないと沈んでしまうんですよね笑。何気に壁を見ると「坊ちゃん泳ぐべからず」と書かれた板が掲げられていました。これも小説どおりです笑。
 湯上りのあとは3階へ上がって「坊ちゃんの間」へ。夏目漱石もよく3階のどこかへ来ていたようです。ところでこの夏目漱石ですが、教員として滞在していた松山はあまりよろしくなく、道後温泉だけが好きだったということです。坊ちゃんは漱石そのものがモデルかもしれませんね。(←いや、そうでしょうけども・・・)
 道後温泉を後にして商店街のタルト屋さんで一息を入れました。名物のタルトと抹茶がセットになって450円です。・・・神の湯2階席に行くよりも高いじゃん!!と気づいたのはほおばったあとでした笑。まあ、2階席でひとりお茶をすするというのは空しいものですからましかもしれません笑。

道後温泉本館 坊ちゃんの間 タルトと抹茶
 関西汽船にて
 日が沈み夜になりました。帰りの関西汽船で松山出航は22:40。すごく時間が余りますので、もうちょっとウロウロしても良いのではと思いますが、僕は旅行先では夜に何をすればいいのかわからないんですよね。夕食に名物を食べればよいと思いますが、松山名物の料理って何なのかわかりませんでしたから、結局夕食はコンビニで調達ということになってしまいました。
 JR松山市駅まで歩いたりして適当に時間をつぶしていましたが、これ以上ウロウロしても仕方がありませんので19時過ぎに松山観光港に戻ることにしました。あとは適当に時間つぶしです。関西汽船の小倉松山航路の乗客が続々集まり、地元のサッカー少年団らしい団体などが集まり結構な客入りでした。この日は金曜日で明日は休みですから遠征試合にもってこいですね。小倉松山航路が出航すると次は関西航路の出番です。ダイヤモンドフェリーと共同運航ですから、関西汽船の窓口もダイヤモンドフェリーの窓口も両方とも準備していました。続々と集まりすぎてずらーっと長い行列が・・・けれども、行列は関西汽船のみであって、ダイヤモンドフェリーはほとんどいませんでした。「皆さん、大阪南港に行くんか!!」半信半疑でとりあえず待たされた上で乗船手続きを終えて乗り込みました。今日の担当は「さんふらわあにしき」でした。
 今回は2等寝台です。週末ですから2等だと大混雑と予想して寝台を確保したわけですね。行列から見ると大混雑模様ですから結果的には正解だったようです。それでも2等寝台はぎっしりと詰め込まれていまして、予約が前日だった僕は上段を指定されました。上段は久しぶりですね。しかも同室者は男女混合の団体と、僕の下段に女性客2名と、今までは男だけの部屋でしたから妙な緊張感がありましたね笑。さて、船内探検は・・・終わりました。なぜならば昨日乗ったスターダイヤモンドとほぼ同じだからです。ここまで似ていることってあるんかなあと思いつつ・・・
 出航後は甲板に出ていましたが、行きと違って風がきついこと。。。おかげさまで夕食のインスタントラーメンは一気に冷めてしまいぬるかったです。ちなみにレストランはうどんやおにぎりなど簡単な食事しか営業していませんのでちょっと問題ありかと思います。また、展望浴場は出航して20分で閉鎖になります。色々と不満がありましたので船内のアンケートで投函しておきました。一般人には「さんふらわあ」というのは豪華フェリーである印象が強いですので、初めて乗り込んでくる人たちの期待を裏切らないで欲しいものです。それはそうと瀬戸内海の流れに乗った頃、後ろから大型フェリーがやってきて並走しつつ、追いつつ、抜かれつと1時間くらいやっていました。すでに真っ暗で相手のフェリー会社はわからなかったのですが、ちょっとスリルがあったと同時に、こんな狭い海域を並走して大丈夫なんかなあと思いました。営業終了でフリースペースとなったレストランで晩酌しつつ、パンフレットの整理をしたあと就寝しました。
 翌朝、明石海峡大橋をくぐる手前で目を覚ましました。時刻は5時半前です。ここから神戸六甲アイランドまで1時間20分までかかるんですよね。意外と遠くに感じるようです。おかげさまでもう少しだけ寝まして、6時半に甲板に出ました。昇ったばかりの太陽がまぶしかったですね。六甲アイランドでは阪九フェリーの「フェリーせっつ」が着岸していましてアングルも非常に良しとこれはチャンスとばかりに写真を乱写しました笑。着岸してターミナルの方を見ると徒歩客用の送迎バスが2〜3台待っていました。「こんなにいらんだろう」と思っていたら、続々と下船。。。結局、松山では関西汽船の窓口で乗船手続きをして神戸で降りていたということですね。共同運航だからダイヤモンドフェリーの窓口でもいいのだと思いますが、「さんふらわあ」に乗るんだから関西汽船じゃないとだめなんだろうと思っている人が多かったのでしょう。神戸港に着岸している時間は50分です。この間に朝風呂と朝食を済ませました。

日の出 阪九フェリー「フェリーせっつ」
 大阪南港に向かって再び出航しました。紀伊水道方面を見ると客船ぽい形の船がかすかに見えてきました。たぶん「飛鳥」だろうと思っていましたが・・・下船する準備をして再び甲板に出ると南港が近づいていました。ブルーハイウェイライン西日本とマリンエキスプレスのフェリーを見るために南向きで見ていましたが、ふと何か声を感じて北側を見ると大型客船が、、、しかも外国の客船でしたので驚きました。帰ってから調べると「セブンシーズマリナー」でした。こんなことだったらデジカメの写真容量にもっと余裕を持たせておくべきでしたね。。。「さんふらわあにしき」はほぼ定刻に大阪南港に着岸しました。
 その後は待合室でかなりのんびりした後、明石に直通で帰りました。

セブンシーズマリナー さんふらわあにしき
 最後に
 「思い立っての松山旅」は前々からあたためていた企画のひとつで、行きはダイヤモンドフェリーで帰りは高速バスで日帰りという予定でした。それが突然の連休ということで帰りもフェリーにしたわけですね。結果としては関西汽船で未乗船だった「にしき・こがね」組に乗船できましたので満足でした。ただ、松山観光に関しては情報収集不足だったために時間の無駄遣い感がありました。そして不足していたために松山市内にこだわってしまいまして、もっと松山市外で観光できるかどうかもチェックするべきだったと思います。最近の僕の旅行は「観光地情報は現地で収集」が増えつつありましたが、今回はその当日に収集するとその後の行動に難しいということを思い知らされた旅行でした。








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