HPトップ>ひとり旅旅行記>北海道・東北リベンジの旅

北海道・東北リベンジの旅(2004年3月1日〜9日)


はじめに
 とりあえす日本一周めぐりを完結して2年になりました。その後の旅行は後始末の旅として、細々と巡り続けていました。しかし、心残りになっている場所もいくつかあります。その中でも一番多いのは北海道と東北に固まっています。それは・・・

1、札幌駅と函館駅の駅舎改築後を確認する。
2、函館のイカ刺し。
3、函館朝市食堂にある「馬子とやすべ」の特別定食。
4、青森の八甲田丸の見学
5、行く先々各地の博物館。
6、仙台の伊達政宗像を撮る。
7、小樽フェリーターミナルで朝風呂。
8、函館港から七重浜駅へ行く。

 これに新日本海フェリー舞鶴〜小樽航路の今年7月の超高速フェリー導入前の乗り納め、太平洋フェリーの来年1月に引退予定となっている「きそ」の乗り納めを加えた旅行となりました。旅程の基本はこれらのフェリーに乗ることが軸となり、練り上げた結果、船中5泊、現地3泊の計8泊9日の旅行となりました。移動手段は前回のようにグリーン車フリーきっぷを利用した豪遊ではなくて、青春18きっぷを利用しました。

スケジュール (赤字は今回の主要目的としたもの。実際は遅着などの影響あり)
 1日目(月)
舞鶴港(23:30発)→新日本海フェリー「フェリーらべんだあ」
 2日目(火)・・・1日目とあわせて記事のトップ
日本海上
 3日目(水)・・・3日目記事のトップ
→小樽(4:00着)→小樽港フェリーターミナル温泉にてリベンジ→その後は小樽市街にて博物館を巡ってリベンジ→昼過ぎには一旦札幌駅へ→札幌駅(15:28発)→ニセコライナー→長万部(19:45着、20:23発)→東室蘭(21:56着、22:01発)→特急「すずらん8号」の普通列車化→室蘭着(22:01)→徒歩で室蘭港へ→室蘭港(23:25発)→東日本フェリー「びるご」→
 4日目(木)・・・4日目記事のトップ
→青森港(6:25着)→徒歩にて青森駅へ→青森駅(8:02発)→浅虫温泉駅(8:21着)→道の駅浅虫温泉「ゆーさ浅虫」にて朝風呂(通算3回目)→青森市営バスにて青森駅へ(10時頃発)→青森(11時前着)→おなじみの「おさない」にてしゃこちゃん丼(通算3回目の利用)→八甲田丸の見学リベンジ→夕方まで適当に暇をつぶして青森港へ→青森港(17:00発)→東日本フェリー「ほるす」→函館港(20:40着)→七重浜駅へ向かうリベンジ→七重浜(21:25発)→函館(21:35着)→函館駅の改築後を確認→函館プラザホテルにて泊
 5日目(金)・・・5日目記事のトップ
昼食を兼ねて「馬子とやすべ」の特別定食(兼イカ刺し)リベンジ函館市街の博物館巡りのリベンジ→函館(14:40発)→長万部(17:43着、17:50発)→東室蘭(19:21着、19:39発)→苫小牧(20:40着、20:48発)→札幌(22:04着)→ホテルサンライト札幌にて泊
 6日目(土)・・・6日目記事のトップ
札幌市街の博物館巡りのリベンジ→昼食は「らーめん初代一風堂」(通算2回目)→札幌駅の改装後を確認→札幌駅前エスタバスターミナル(15:00発)→高速バス「とまこまい号」→苫小牧フェリーターミナル(16:38着、19:00発)→太平洋フェリー「きそ」
 7日目(日)・・・7日目記事のトップ
→仙台港(9:20着、9:43発)→路線バス→仙台駅前(10時半頃)→仙台市博物館見学と青葉城の政宗像撮影リベンジ→夕食はおなじみの「伊達の牛たん本舗」→ホテルグリーンウェルにて泊
 8日目(月)・・・8日目記事のトップ
仙台駅前さくら野デパート前(10:35発)→路線バス→仙台港(11時過ぎ着、12:20発)→太平洋フェリー「きたかみ」→
 9日目(火)・・・9日目記事のトップ
→名古屋港(9:20着)→名神高速バスなどを乗り継いで明石へ

1日目と2日目(日本海上)
 明石から舞鶴港へは色んな方法がありますが、青春18きっぷで向かいましたので遠回りすればするほどいいのです。北海道発のローカル人気番組である「水曜どうでしょう」の企画にあるサイコロで目的地までの交通機関を決めるという無茶な方法を真似して、サイコロを振ってみました。すると出た目より導かれた答えは、京都駅から山陰本線回りということでした。夕方すぎに京都を発ち、東舞鶴駅に到着したのは出航の2時間ほど前です。一昨年に乗船したときは、場所がわからず間に合うか不安でしたのでタクシーを利用しましたが、今回は歩いて向かいました。2年前の道筋はしっかりと覚えており、30分ほどすると新日本海フェリーの舞鶴港ターミナルに到着しました。

 舞鶴港では自衛隊と一緒のようですが、人数は10人ほどと少なかったです。自衛隊車を初めて直に見ました。感想は硬そうな車ですね。とりあえず受付を済ませ、1時間ほど前から乗船を開始しました。

 今回のフェリーは「フェリーらべんだあ」です。04年7月に超高速フェリーが就航するのでその前にこの長時間航海したかったわけですね。この時期には一時期引退したはずの「ニューしらゆり」も代打で就航しているのですが、「フェリーらべんだあ」の方が良さそうなので指名乗船しました。乗船率はほどほどだったのではと思います。

 今回利用した船室は2等寝台です。2等でもいいのですが、船中2泊ですからどうしてもプライバシーが守られるような空間がないといけないんですよね笑。出航時は、陸上係員の皆さんが整列して、手を振りながら見送りという非常に気持ちのいい出航でした。出航してから入浴しました。前回乗船したときに春先を含む冬の日本海は非常に荒れるという経験をしましたので、その結果、浴場閉鎖で2日間入浴できませんでしたので、恐らく今回も荒れるだろうと予想して入浴することにしました。終了前でしたので、先客はおらずゆったりとくつろげました。入浴後は、汗を落としつつ船内を軽く探検して翌日の調査に備えて就寝しました。


 翌朝、日本海上のフェリーはスピードを落とすことなく一定の速度で北へ向かっていました。陸が見えませんのでどのくらいまで進んだのかは正確にはわかりませんが、外には雪も舞っており、北へ向かっていることを感じさせました。
 小樽着まであと20時間近くもありますから2日目はジムでトレーニングをしたり、船内調査にあてました。船内調査の結果は、『船旅のススメ』「フェリーらべんだあ」をご覧ください。

プールそばにあるうきわ 昼食のカレー
雪景色の日本海を一路北へ・・・
 荒れると思っていた日本海ですが、今回はやや揺れるものの酔うというには程遠いほどでした。前回の経験から酔い止め薬を初めて持参したのですが役立たず。せっかくですからちょっと酔ったなと思った程度で飲んでみました。その後、乗船まで変化は起きませんでした笑。そして浴場も閉鎖しませんでした。もっとも、新日本海フェリーは冬の荒れる日本海にも強い船を持っていないと経営できませんから、頻繁に浴場が閉鎖してはおかしいですからね。小樽着は未明4:00。案内所前のインフォメーションボードでは定刻どおりに入港とのこと。2等室の消灯は22時ですが、それよりも20時とかの時間にすでに寝入っている人が多く、最後の夜は前日と比べるとかなり静かでした。

3日目(小樽→室蘭)
 午前4時、「フェリーらべんだあ」は定刻どおりに小樽港に入港しました。入港前の小樽の夜景はきれいなものです。小樽市街はすでに気温がマイナスの世界でぐんと冷えています。
 北海道に2年ぶりに上陸ですが、ここで最初のリベンジをします。それは小樽港フェリーターミナル温泉にて朝風呂をするというものです。展望風呂「パノラマ」は、入港時間に合わせて始まりますので、一番風呂ということにもなります。入浴料金は980円なのですが、乗船半券を提示すると850円になります。それでも高いと思うかもしれませんが、タオル・バスタオル・バスローブ代がそれぞれ入っていますし、午前4時という時間ではまだ駅も開いていませんので、一眠りしたいという人のために照明を落とした部屋にリクライニングシートがあって自由に仮眠できますので十分な値段だと思います。ただし、リクライニングシートは20人ほどしか用意されていませんので早い者勝ちになります。

 ちょっと遅めに温泉に向かったので誰か先客はいるかな?と思っていたら誰もおらず一番乗りでした。そういえば大きなお風呂を一番乗りとは人生で初めてです笑。外はまだ暗いのですが、展望風呂から臨時シフトで新潟〜小樽航路に回されている「ニューあかしあ」の船首が見えました。フェリーを見ながら入浴というのも良いものですね。とりあえず1回お風呂から上がり、仮眠することにしました。この間に他にも入ってくる人もいたのですが、合わせても5人程度(もちろん男湯で)でした。まあこの時間ではフェリー利用者しか入らないからだと思うのですが・・・
新日本海フェリー小樽ターミナル
 1時間ほどして仮眠の後に目を覚ますと朝日が差していました。日の出の瞬間を湯船で見ようと思っていたのでしまったと思いましたが、日の出の方角と展望風呂の向いている方角は45度違っていましたので、起きることができても見れなかったですね笑。ターミナル前から小樽駅行きのバスの始発は8:25ですのでもう一度お風呂に入りなおし、十分すぎるほど休憩をとった後、「フェリーらべんだあ」「ニューあかしあ」「ターミナル」の写真を撮ってもまだまだ時間が余りすぎるほどでした。時間がもったいないのですが、路面はアイスバーンになっていますし、距離もありますからここはターミナル周辺を楽しんだほうが良いと思います。

 8:25に始発のバスが到着しましたので乗車し、20分ほどして小樽駅に到着しました。荷物がありますから、とりあえずコインロッカーに預けて身軽になった後、散策を開始しました。今回の旅の目的は何よりも博物館ですから小樽市立博物館に向かいました。徒歩で向かってもまだ開館前です笑。仕方がありませんから北一硝子に向かいました。小樽運河を通り、昼前だったのでちょっと早いと思いつつ昼食を取る事にしました。

 今回は「巽(たつみ)寿司」という、北一硝子が集中している通りの小樽駅よりにあるお寿司屋さんを直感で選びました。昼前ですから当然ながらまた一番乗りでした。通された席はカウンター・・・正直言ってちょっと恐縮です笑。注文したのは握り寿司、海鮮丼、海老のてんぷら、茶碗蒸しなどが付いたセットでした。ネタはまぐろ、いか、サーモン、うに、いくらなどで当然ながらどれも身がぎっしりですのでおいしすぎます。おいしいのですが板前さんはずっとツケ場に立っている上、食べ終えるまで客は僕1人でしたから非常に緊張するのですが・・・「お勘定をお願いします」の声も出しづらかったですね笑。代金は税込み1890円で一般的に見ると高いのですが、食事をずっと我慢していましたのでこれくらいは良いかと思いました。

 北一硝子で自分用のお土産を購入した後は、小樽市博物館に向かいました。博物館としては小規模な感じですが、鰊漁をはじめに江戸時代を中心に展示していました。屋外展示として人力車ならぬ人力ソリもおいてあり、雪の中庭を利用して実際に引っ張ってみることができます。続いては旧日本郵船株式会社小樽支店に向かいました。こういう名前が付いているのですが、現在は営業用として利用されておらず、重要文化財の建物として見学できるになっています。内装は明治時代の雰囲気をそのまま残しており、また、ポーツマス条約に基づく日露間の国境策定会議が開かれた場所として歴史的現場を見ることができます。
小樽運河 旧日本郵船小樽支店
今回購入したペンギンと一昨年に購入したハリネズミ
 13時すぎになると小樽駅に戻りました。ここから一旦札幌駅に向かい、長万部行き「ニセコライナー」に乗車するためですね。旅行の基本は始発駅から乗るということを重視したために札幌駅に向かったわけです。14:08発「いしかりライナー」に乗車すると札幌駅には14:48に到着しました。軽くコンコースを見回った後、15時すぎに「ニセコライナー」の列に並びました。一番乗りだったのですが、発車10分前になるとずらりと並んでいました。これは大混雑を覚悟しましたね。結果としては、ほどほどの混み具合でした。でも、停車駅ごとに降りていく人もほどほどでしたし、小樽駅で多くの人が降りていきましたのでなぜこんなに混雑したのかわからないです。。。

 小樽駅を過ぎたニセコライナーは余市駅で多くの乗客を降ろしたほか、倶知安駅を過ぎてもニセコなどのスキー客を細々と乗客を降ろしていきました。蕨岱(わらびたい)という小さな駅で最後の地元の利用者が降りた後は2両も貸切列車状態でした笑。札幌駅を出てから約4時間20分後の19:45に長万部駅に到着しました。そして函館本線の全線を完乗したことにもなります。
いしかりライナー ニセコライナー 倶知安駅にて小休止
 長万部駅で40分の接続待ちです。改札口外には「北斗星」に乗るらしい親子がいた他は誰もいませんでした。とはいっても、長万部駅周辺にはこの時間ではタクシーですらいない何もない駅でした。そして外は雪がほとんどないにもかかわらず寒いです・・・・

 20:23に長万部駅を後にしました。乗客は僕だけかと思いましたが、函館方面から乗り継いでいる人もいたので乗客は2人でした。外はすでに暗く、途中で数人の乗降客がいましたが会社帰りというように見える人はあまりいませんでした。東室蘭駅に21:56に到着し、22:01発の室蘭駅行きに乗り換えました。

 室蘭駅行きの電車は特急「すずらん」が札幌〜東室蘭であり、東室蘭〜室蘭は普通列車になるという乗り得列車です。つまり青春18きっぷだけでも特急列車に乗れるわけですね。表向きは普通列車ですが、行き先案内幕はしっかりと「特急 すずらん」と書かれていました。乗り得ではあるのですが、車両は古いものでほんの少しだけ不満はあるのですけどね笑。また、普通列車になってしまいましたから車両清掃も室蘭駅に向かう途中から始めていたので驚きました。特急と普通列車のサービスの違いを見せ付けられました笑。
方向幕 ヘッドマーク 座席
 22:01に到着した室蘭駅は寂しい町でした。昼間であれば地球岬などの観光地を抱えているので賑わうかもしれませんが、測量山のカラフルなライトが光るアンテナや白鳥大橋以外は目立ちませんでした。でも、室蘭は面白そうですので次に北海道に来るときは室蘭をマークしておきたいと思います。

 室蘭駅から歩いて10分後、室蘭港に到着しました。途中には何もありませんでした。室蘭港フェリーターミナルはかなり立派なものでバリアフリーもやや整っていると思います。今夜乗船するのは青森港行きの東日本フェリー「びるご」です。隣には直江津行きの「ニューれいんぼうべる」もいました。外から見た印象では大きかったですね。乗れる機会があればいつかは乗ってみたいですね。

 「びるご」は古くなりつつあるので貧弱さは否めませんでした。そして黒い蝶ネクタイをした中年係員にちょっと笑えます。ニコリともしない無表情ですからアンバランスなんですよね笑。「びるご」の乗船率は少ないほうだと思います。2等室の1区間で2人しか乗っていない程度でした。でも、夏とか繁忙期にはもっと混むのではと思いました。やがて室蘭港を出航し、ターミナルを眺めつつちょっと前までは大洗行きのフェリーも出ていましたから需要はあったのだと思いますが、現在は2航路しかありませんから室蘭港は生かされていないなと思いました。とりあえず船内調査をしたあと、リズミカルな振動を感じつつ寝る事にしました。(「びるご」の船内調査結果)

4日目(青森→函館)
 4日目は青森港に着岸することから始まります。徒歩客も車両甲板からの下船のためしばらくロビーで待たされるのですが、時間がもったいない・・・10分ほどして上陸しました。「びるご」の隣には「びいな」がおり、その他にもたくさんのフェリーが待機していました。夕方にはこの青森港から函館港に向かって出航しますので、とりあえずは荷物をコインロッカーに預けました。

 外は大雪です。傘は差すまでもないのですが、積雪がすごいので歩道が埋もれて意味がないくらいです。時間が時間ですので歩いて青森駅に向かうことにしました。一昨年も青森駅から青森港まで歩いて向かったこともあり、道は覚えているのですが今回の雪のおかげで大幅に回り道をせざるをえないほど歩道が埋もれていました。そのうち通勤、通学時間とも重なりあちこちで後ろから抜かされたりしました笑。まあ、地元民じゃないので雪の中の歩き方がわかりません笑。でも、よく考えてみれば観光客が紛れ込んでいるというのもおかしな話だったりします・・・
 
 予定では30分程度のはずが20分余分にかかり、所要時間が50分でした。青森駅からJRに乗車し、朝風呂のために浅虫温泉へ向かいます。青森には4回来たことがありますが、函館から青函トンネルを通り、フェリーで函館へ帰るだけだった一昨年を除いてはいつも行っていますので今回で3回目ということになります。あまり混みませんし、落ち着きやすいのでお気に入りの道の駅「浅虫温泉 ゆーさ浅虫」は何度行っても飽きない所です。8:02に青森駅を発車しました。時間的にはまだ通学時間ですので多くの高校生を乗せていました。それでも、2つ3つと停車するごとに減っていきました。明石では8:02といったらもう学校に到着していないとHRに間に合わないんですけど。。。
 
 8:21に浅虫温泉駅着。待合室には防寒を頑丈にした大勢の人々が。。。何事か?と思ったら、人海戦術で線路の除雪要員でした。それほど雪が多かったということですね・・・(ちなみに前日から北海道を出る6日目まで仙台も含めて寒波が襲ったようです。)
ホームの様子 駅名板 浅虫温泉駅外観
 浅虫温泉駅からゆーさ浅虫まで歩いて5分です。駅周辺は積雪がありますが、ゆーさ浅虫までつないでいる歩道橋にはロードヒーティングが敷かれていますので滑る心配がありません。向かう前に帰りの電車の時間を調べました。すると、10:30発では時間がありすぎますので、10時過ぎに発車する青森駅行きの路線バスに乗車することにしました。それでも90分ほどありますので、温泉で長居することにしました。

 展望大浴場は青森湾を望む気持ちのいい眺めです。サウナやジャグジーなどはありませんが350円という安価な入浴料に満足します。休憩コーナーからも青森湾が望めますが、それよりも「湯ノ島」というポカリと目の前にいる島が眺めをよくさせてくれます。(下の写真では雪などのため小さく淡く見えますが、実際には大きくきれいな三角形の面白い形をした島です。)何度でも通いたくなりますね笑。10時前に浅虫温泉駅前から青森駅に向かって出発しました。
道の駅「ゆーさ浅虫」外観 休憩コーナーからの眺め 青森市営バス
 青森駅まで約1時間ほどの行程でした。結果として電車に乗るよりも遅れたのですが、地元客などの裏の顔が見られましたのでよかったと思います。電車がない場所も細々と停車していきましたので非常に多くの乗客がいました。地元客は青森駅まで行かずに、デパートや商店、病院、役所などが密集する場所で次々と降りていきましたので最後まで乗車している客は少なかったです。
 
 青森駅に到着後、昼食を探すことにしました。「ゆーさ浅虫」と同じようにいつも行くところがありますが、たまにはと周囲をウロウロして探してもこれがいいというのが出てこなかったので、結局また同じ「食事処 おさない」に行くことにしました。注文はもちろん「しゃこちゃん丼」です。海鮮丼のネタはいくら、うに、ほたてなどですが、青森はほたてが美味しいところですのでこの味が食卓に出てくる味と違うんですよね。
しゃこちゃん丼
 食後は八甲田丸リベンジです。前回は年に1週間程度しかないという冬季休業日に重なってしまい、目の前で愕然としたものでした。その雪景色を背景にしている素晴らしさから「次に八甲田丸に来る時は絶対に雪のあるときに」と誓いましたので、翌夏は三内丸山遺跡のみを見学し、八甲田丸にはちらりとも見ていませんでした。そして今回、リベンジの旅で最重視していましたので、計画段階で休館日はいつかもきちんと問い合わせておきました。

 入館する前に八甲田丸の船首そばにある「津軽海峡冬景色の碑」を尋ねておきました。近づいただけで自動的に演奏される津軽海峡冬景色を聴きながらやっぱり八甲田丸は雪景色が似合うなと思いました。(ただ、聞こえが悪くなっていたのがちょっとショックでした・・・)そして八甲田丸に入館。青函航路が賑わっていた頃の雰囲気を非常によく残していました。客室の保存はもちろんのこと、最終航海日のきっぷや客室の案内板などのほか、車両甲板には国鉄カラーの車両を積載していますし、車両と船を固定している様子も残していますので博物館としても非常に立派な展示でした。青森観光は八甲田丸のみでしたので、2時間以上時間の時間が取れてゆっくりと見学できました。
津軽海峡冬景色の碑 八甲田丸 大正時代の客室
グリーン席 寝台席 操舵室
 八甲田丸のリベンジは無事に成功しました。青森観光は済ませたので後は17:00までに青森港に戻って函館港に向かうことです。八甲田丸の見学を終えた時点でまだ15時すぎでしたので、時間があまりすぎますがこの雪では思うように動けませんから青森港まで歩くことにしました。バスもよかったのですが、本数が少ないこともありますが歩道の雪解けもあって歩きやすくなったことからですね。まあ、普通は30分もかけて歩くのは好きではないのですが、雪の中を歩けるというのは明石では数年に1度しかありませんから、楽しみながら歩きました。後学のためにバスで向かったらどこまで行くのかを確認しつつ青森港に到着しました。

 青森港では「ほるす」が待機していました。朝もいましたのでほるすが函館とを1往復している間に青森をあちこち回っていたわけですね。出航の30分前である16:30に乗船開始になりました。徒歩客はまずまずといったところでしょう。函館港着が21時前ですので微妙な時間帯だったのかもしれません。

 青森港を出航する時、雪の帽子をかぶっている八甲田山がきれいに見えました。でも、前日からの積雪がすごかったのに、夕方になると山頂を除いて雪がほとんど消えているというのも一種の驚きでした。青森は4度目の訪問になりましたが、飽きることはありませんでした。きっとまた訪れることでしょう。

 「ほるす」は東日本フェリーの船隊でももっとも豪華なフェリーのひとつです。「ばにあ」「びるご」と比べると確かに違いますね。やっぱり、黒い蝶ネクタイの係員に苦笑しつつ、ここでもリズミカルな振動でした。船内調査を済ませた後は函館港までのんびり過ごしました。(「ほるす」の船内調査結果)

 20:40にほぼ定刻に函館港に着岸しました。例によって10分ほど待たされたあとに下船となります。そして今日最後のリベンジが待っています。前回の函館港着後、最寄り駅の「七重浜駅」に向かっていたのですが、道を間違えてさらに遠い「五稜郭駅」にたどり着いてしまったからです。あの時の苦労は今も覚えています笑。五稜郭駅で特急「はつかり」が来たのですが、フリーきっぷでしたから結果オーライで乗車できました。ただし、今回は通常の乗車方法ですので、七重浜駅には必ず到達しないといけません。函館駅行きのバスが近くから出ていますが、リベンジですので無視し、七重浜駅に向かいました。歩いて歩いてついに到達できました。ただ、七重浜駅は看板もあまり大きくなかったので注意していないと見つけにくいかもしれません。21:25に七重浜駅を発車し、10分後に函館駅に到着しました。

 21時を過ぎた函館駅は閑散としていました。駅舎の改装が終わった函館駅はきれいになっていましたが、今日は疲れもありますから散策をしないで宿泊地である函館プラザホテルに向かうことにしました。
 函館駅から歩いて5分ほどの場所にある函館プラザホテル。旅の窓口価格で3000円と格安で泊まる事ができました。ただし・・・入るちょっと前から気づいていましたが、ロビーが暗い、人がいない、サービスの割り箸が出前で出てくるようなもらいもの・・・予感は的中しましたね笑。時計が100円ショップで出てくるような安物。机はあるが、ベッドの占有率が大きすぎて椅子が入らない(写真ではベッドよりも窓側には椅子が入らないので写っていません)。冷蔵庫がない。ティッシュもポケットティッシュなどと・・・入った瞬間に笑ってしまいました笑。一昨年は5000円で函館国際ホテルでしたので、その豪華さに非常に快適な客室でしたからちょっとあきれましたね笑。せっかく、シャワーあがりに発泡酒を飲もうと駅前のコンビニで購入したのに、ぬるくなってはまずいですから夕食とおつまみを同時に食するという変な食べ合わせになってしまいました笑。テーブルは机が普通なのですがスペースがありませんので、椅子をテーブル代わりにしました。ロビーは暗いと何もないですから結局、入室して1度も部屋から出ることなく寝ることにしました笑。
リベンジ成功!! 不満だらけの客室

5日目(函館→札幌)
 翌朝8時過ぎに目を覚ましました。夜の間に雪が軽く降ったようで外は白くなっていました。9時前にチェックアウトしましました。このホテルには2度と来ないと思います笑。行動する前に荷物を函館駅のコインロッカーで預けたのですが、相場と比べて100円高い「400円」とはちょっと・・・でも、ここしかないのであきらめるしかないですね。

 本日最初のリベンジは、函館朝市にある「馬子とやすべ」という食堂の特別定食を食べることです。これも前回、食べると決めていたのですがなかなか見つからずあきらめて別の海鮮丼で済ませたのですが、夕方になって函館を去る帰り際に閑散とした朝市に寄った際に狭い通路で見つけたので悔いがあったんですよね。なぜ特別定食にこだわるのかというと、メニューがいくらとほたての丼、焼きほっけ、イカ刺しとすごい豪華なんですよね。ほっけは注文されてから焼きますのでちょっと時間がかかるのですが、それが新鮮だという証拠ですから苛立ちませんでした。おかげでほっけはホクホク、いくらはプチプチと味は最高でした。
特別定食
 食後は朝市ですから、お土産はタラバですね。買うつもりはなかったんですけど、結局は購入してしまいました笑。家に帰ってから甲羅を見るとアブラガニとだまされたと判明しましたが、生涯初の値引き交渉で2000円もまけてもらいましたし、サービスでいかの塩辛をゲットしましたので、勉強代として考えればまあ損とは思わなかったですね。

 後は、博物館めぐりのリベンジです。その前に、函館は坂の町ですから坂から見る海の風景を満喫しておきました。今回巡った博物館は、「市立博物館郷土資料館(旧金森洋物店)」と「函館市北方民族資料館」の2つです。本格的な博物館はちょっと離れたところにありますので、時間の都合上この2つにしておきました。郷土資料館は、江戸時代末期による函館港の開港とともに発展してきた金森洋物店の建物を利用して、大正時代のハイカラな展示物がありました。北方民族資料館は、一番の勉強になったことは、モノの入手が厳しい北方民族は、身の回りにあるモノを工夫して生活用品に取り込んでいったことですね。例えば鮭の皮が服になるとは想像もできませんでした。モノが容易に手に入れられる現代人として色々と考えさせられましたね。
 雪が吹雪になったり青空になったりと激しい気象の中、他にも教会や赤レンガ倉庫を巡ったあと、時間が来ましたので函館駅に戻ることにしました。
郷土資料館 赤レンガ倉庫から函館山 十字街の路面電車
 函館駅に残り30分。気象状況は相変わらず激しく、吹雪いたかと思うとからりと。写真も吹雪いた時のと青空の時のと2種類撮れました笑。函館駅内は2階がこのときは青函連絡船のコーナーが出ていました。14:40に函館駅を後にし、ここから札幌駅まで約8時間の長い鈍行旅になります。
吹雪いてる函館駅 20分後の函館駅
 道中はほとんどワンマンカーなので警戒が甘いせいか時々たばこの臭いが漂ってきます。しかも利用していない運転台から高校生が・・・注意書きを見るとシートの焼け焦げ後が目立つので設備を破損した場合は賠償金をいただくとのこと。どうやら高校生などの喫煙は日常的にあるようですね苦笑。だったら、警備員を一部区間に乗車させればいいと思うのですけどね。
 
 函館駅から離れていくほど通勤通学圏ではなくなりますので、次第に人数も減っていきました。途中の流山温泉駅で新幹線の200系を屋外展示しているのもみかけました。そういえば、この沿線の行く先々で線路から「北海道新幹線の早期開業を!!」という看板が各自治体名で出ていました。ふと北海道新幹線を造っても東京からフル区間乗車する人はあまりいないと思うから無駄では?と思いました。僕だったら嫌いな飛行機に乗りますね。新幹線なのに移動だけで半日がつぶれるというのは納得できませんし、ダイヤ設定も1日に数本くらいしかできないと思いますしね。

 途中の森駅で2両編成が前の1両のみに切り離されたりしてもボックス席が独占という人数の少なさで長万部駅に到着しました。森駅名物のイカめしを思い出したのは、他の旅人さんが3つも購入して車内に帰ってきたのを見てからでした。待ち時間にスタンプを押したのにちょっと失敗しましたね笑。
流山温泉駅の200系 函館→長万部担当 森駅外観
 長万部駅から札幌駅に向かう方法は2通りあり、小樽経由の函館本線か、苫小牧経由の室蘭本線になります。どっちが早くつくかというと小樽経由なのですが、3日目に通ったばかりですから苫小牧経由にしました。長万部駅では隣のホームで待機していました。前の車両が函館本線経由小樽行きで、ちょっと離れて後ろの車両が室蘭本線経由東室蘭行きです。イカ飯の旅人さんは小樽経由に乗車したようです。

 17:50発車ですが特に混雑することなく、19:21に東室蘭に到着し、苫小牧行きに乗り換えて徐々に増えてきたなと思うと、苫小牧から北海道では初めてのロングシート車両に乗車しました。苫小牧を20:48に発車すると立ち客が出てくるほどでしたので、札幌方面へは苫小牧駅から通勤圏だと思いました。

 22:04に札幌駅に到着。よく考えると、改札を一歩出るとJR北海道を利用するのは今日が最後なんだなあ、と思いつつ構内は何もありませんからすぐに出ました笑。この札幌駅に前日はGLAYがやってきて、無料ライブを行ったとのニュースを函館のホテルで知りました。何でも無料だし、生で見れるからということで1週間前から並んでいる人もいたそうです。このように並び方がすごいですから警備員付きで通路を遮断しないように警備していたそうです。そして函館にはGLAY記念館があってたまたま通りかかったのですが、周りは閑散としていましたので変な格差でしたね笑。まあ入館料が1500円ですからファンじゃなければ簡単に出せないですね。

 今回の宿泊地はホテルサンライト札幌です。位置的にはすすきのの隣にあります。夜ですから歩いていける距離ではないので地下鉄を利用し、中島公園駅で降りました。札幌駅で混雑してたのですが、すすきの駅でほとんどの人が降りました。さすが北国の繁華街ですね笑。アイスバーンになっている歩道に気をとられながらホテルサンライト札幌に到着しました。

 ホテルサンライト札幌 は函館プラザホテルと違ってかなり良いホテルだとチェックイン前に思いました。ロビーは暖かい色ですし、インターネットのサービスもありました。何よりも受付のお姉さんの笑顔が良すぎるんですよね笑。エレベーターのある場所までわざわざ案内していただき、さあ客室へ・・・と思ったらドアが開かない。通路には誰もいないことが幸いでしたが、3分くらいドアで格闘しました笑。正しい開け方は、開錠し、ノブをひねらないでそのまま押すんです笑。オートロックの防犯対策とは思いますが、ちょっとびっくりしましたね。しかし、次は電気が点かない・・・昨夏に活躍したアウトドア用ライトでやっとのことで点けました。でも何か暗いなあ・・・とまた探し回ってベッドにあるスイッチを点けてやっと明るくなりました。ホテルで早速することはコインランドリーです。この長期旅ではコインランドリーが設置しているホテルに泊まるのが今回のポイントでした。いきなりコインランドリーは23時前にチェックインしたのですから時間がありませんしね。ところが注意書きには「23時以降はご遠慮ください」とのこと。それは聞いていないぞーと思いつつ、今しか洗える場所がありませんので申し訳なく利用させていただきました。室内にはアンケート用紙がありましたので、この3点についてとりあえず書いておきました。それ以外は、冷蔵庫もありますし標準的な装備でした。環境にやさしいホテルを目指しているそうで、インスタントコーヒーのサービスは粉末はエレベーター前に設置し、紙コップはフロントでとのこと。紙コップをもらうのに一瞬ためらいましたが、予想通り笑顔のお姉さんが対応してくれました笑。シャワーを浴び、北海道限定の番組を見た後、洗濯の乾き具合を確かめに何度もランドリーに向かいました。1度笑顔のお姉さんに遭遇してしまいましたが、常に笑っていて大変だなあと思いました笑。2時前にやっと乾いたので洗濯物を取り出し、荷物の整理をした後寝ることにしました。
快適だった客室

6日目(札幌→苫小牧)
 6日目は8時過ぎに目を覚ましました。チェックアウトは9時半頃でしたが、笑顔のお姉さんは居ませんでしたのでちょっと残念でした笑。とりあえず荷物を預けるために札幌駅に向かいました。札幌駅でも昼には苫小牧港に行く高速バスに乗車するので、バスターミナル近くのコインロッカーですね。預けた後、デジカメのスマートメディアの容量が心配でしたのでターミナルの上にあるビックカメラでスマートメディアを購入しました。ちょっと高いのですが、仙台もありますし、太平洋フェリーでかなり撮ると予想しましたので・・・
 今日の博物館は、「札幌市資料館」「北海道庁旧庁舎(&北海道立文書館展示室)」「北海道立アイヌ総合センター」の4ヶ所でした。当初は北海道大学の博物館を予定していたのですが、春休みということもあり休館中のようでした。今回巡った資料館などは全て無料で入館できる箇所です。
 まずは札幌市資料館に向かいました。詳しい地図を持参していませんでしたので、位置的には大通り公園の端っこにあるという情報しかありませんでした。非常にあいまいでしたから、多くは道路にある案内板に頼っていたのですが、途中でわからなくなりました。ちょっと迷ったあとに見つけましたが、どうやら最後の案内板が樹木に隠れて見えなかったようです。小さい案内板でしたからね。館内アンケートで改善を望む、と記入しておきました。札幌資料館は、主に開拓の歴史を中心に展示していました。北海道庁旧庁舎は一度火災で内部を焼失した再建ということがわかりました。歴代知事の肖像画もありましたので、このあたりが興味深かったです。そして北海道立アイヌ総合センターは、アイヌの人たちが利用した生活用具などが展示していました。いずれも開拓精神が旺盛で、本州に負けるなという意気込みが伝わってきたように思います。途中で昼食代わりに「ラーメン初代一風堂」を済ませ、外観的に札幌テレビ塔と札幌時計台も見ておきました。これで北海道でのリベンジは全て終了し、札幌駅前の高速バスターミナルまで戻ることにしました。
札幌市資料館 北海道庁旧庁舎 ラーメン初代一風堂
札幌テレビ塔 札幌時計台 新しくなった札幌駅
 高速バスの発車まであと1時間以上あったのですが、朝、バスターミナルに訪れた際、バスとは思えないほど混雑ぶりを目の当たりにしましたのでこれは早めに並ばないと座れないかもしれないと思ったわけですね。できるだけ早めに見学をすませ、並んでおこうと思いました。さすがに1時間以上前では誰も並んでいませんが・・・ちなみに新しくなった札幌駅にはファッション系を中心に入店していました。それよりも、お土産店を増やしたほうがいいのでは?と思いました。札幌駅でお土産を購入できるところはほとんどありませんし、あったとしても小さいので品揃えも豊富とはいえませんからご注意ください。タワーの最上階は展望室になっているのですが、有料となっていて大人は900円とのこと。高いですね・・・

 時間が来ましたので、高速バスターミナルで並ぶことにしました。本格的に並び始めたのは15分くらい前ですね。苫小牧港行きなのですが、太平洋フェリーの利用者だけではなく、大洗行きの利用者とも同乗ですから大きな荷物を持った人が多かったです。

 高速バス「とまこまい号」が入線し、一番乗りで乗車して最前列に陣取りました。ただ、運転手をひと目見て嫌な予感が・・・15:00に何事もなく発車しましたが、乗車率はかなり高く、高速道路(道央道)に入る最後の停留所で席が全部埋まるくらいでした。事件は苫小牧東ICで降りる少し前に発生しました。穏やかに走行していたバスが突然非常口からベルが鳴り響きました。バスはその場で緊急停車し、運転手が止めようと懸命に作業をしました。それでも収まらず、後続の室蘭行きのバス運転手が助っ人にきても無理でした。運転手は携帯電話で会社に指示を仰いでみても結局は無理だったようですので、そのまま苫小牧港に向かうことになりました。結局、苫小牧港へは鳴りっぱなしのまま30分遅れで到着しました。もともと、15時発は冬季の積雪を考慮して夏季よりも1時間早めに発車するダイヤですから30分遅れは影響ありませんでした。ただし、運転手は苛立っていたようで時々急ブレーキをし、乗客も前につんのめりになったりもしました。まあ横から突然現れた車のほうが悪いですが、追い越しざまにその車に向かって睨み付けるのはやめてほしいですね。いろんな意味で嫌な予感があたったということでした笑。

 札幌駅の高速バスですが、意外と盛況だったと思います。やっぱり、電車では本数も少ないですし乗り換えの手間もかかりますから積極的に利用したいとは思わないのかもしれません。特に人気のある富良野へも電車よりもバスのほうが便利だと思います。今回利用した「とまこまい号」も多くの乗客は苫小牧駅で下車していきました。電車と違ってバスは回数券の種類も豊富ですからお得感があるかもしれませんね。
恐怖の高速バス「とまこまい号」
 苫小牧港に到着すると今夜乗船する「きそ」、川崎近海汽船の「シルバークイーン」、東日本フェリーの「へすていあ」が着岸していました。苫小牧港は北海道航路でも主要な航路です。苫小牧港周辺にはそれといった観光地はないのですが、札幌へのアクセス手段のよさから一ヶ所に集約されているように思われます。観光客にすれば小樽港のほうがいいんですけどね・・・

 出航の2時間前くらいから乗船開始になりますが、遅れていましたから乗船手続きをした時点でもう入れる時間です。いつものようにB寝台ですから寝る場所が確保されていますので急いでいませんでした。他社のパンフレットを入手したり、ターミナル周辺をぶらぶらしてから乗船することにしました。ターミナルにもお土産屋はあるのですが、人気のある「マルセイバターサンド」はまだ夕方にもかかわらず売り切れでした。

 出航まで姉妹船唯一のブリッジ下にある屋外通路で18:30に「へすていあ」の出航を見届けたあと、19:00に「きそ」は静かに離岸しました。夕食は本当はバイキングで食べたいのですが、名古屋行きでも同一メニューですので、バイキングは朝食のみにすることにしました。ですから、夕食はカップラーメンでした笑。「きそ」の印象はというと、この船齢にしてはきれいに行き届いているような感じがしました。しかし、動ける範囲が少ないですので昼間航海が多い名古屋まではちょっと苦しいかなと思いました。それでもサービスは姉妹船と同じですので、東日本フェリーと比べて非常に快適でした。船内調査をすませたあと、夜が更けてきましたので寝ることにしました。(「きそ」の船内調査結果)

夕食後に行われるラウンジショー
7日目(仙台)
 朝はちょっと早起きをしました。船上ではなぜか早起きになることが多いんですよね。恐らくエンジンの振動が目覚まし代わりになっているのかもしれません。でもそのおかげで、6:50すぎに商船三井フェリーの「ばるな」を見ることができました。
 そして朝食の時間になり、予定通りにバイキングを取ることにしました。今日はかなり動きますので昼食抜きを覚悟するため、スタミナ重視でたくさん食べました笑。もちろんビタミンバランスも考えました。偏食になりがちな旅先では、バランスを第一にすることを重視しています。まあ、カップラーメンとかで済ませることも多いですから言える資格はないかもしれませんね笑。
早朝の「ばるな」 朝食バイキング
 予定時刻通りに仙台港に入港しました。よく考えたら全員仙台港で降りるわけですからバスは大丈夫かな?と思っていました。結局は20人程度だったと思いますが、仙台港発のバスは30分毎に3回に分けて寄ってくるようです。万一乗れなくてもちょっと待てば乗れるでしょう。

 バスは仙台駅前に到着しました。とりあえずコインロッカーですね。ここで初めての経験です。それは、コインロッカーは先にお金を入れてから扉が開くという形式になっていました。これ不便ですね。なぜならば荷物が入るかどうかわからないですからギャンブルに近いロッカーです。できるだけ使いたくはなかったのですが、ここしか空きがなかったのでやむ得ず利用しました。結果としては何とか入ることができました。

 仙台観光の最初は仙台市博物館です。一昨年は青葉城を早朝に登城し、昼には仙台を出ていましたので近くまでは来たものの入館はできませんでした。見ものは支倉常長の遣欧使節関連ですね。鎖国が始まる前後に世界一周するような形でヨーロッパに向かう苦労をしつつも、帰国後は鎖国にキリシタン禁令と2つの壁から晩年は歴史の表舞台から消えていった支倉常長がかわいそうに思いました。それでも近年、ヨーロッパから持ち帰った祭服などが国宝に認定されましたので少しは光が当たったと思います。これらはミニシアターで字幕付きで説明されていましたから非常にわかりやすくて共感を呼ぶ映像でした。

 博物館のあとは青葉城ですね。バスはあるのですがちょっとあがれば到着ですから歩きました。それに僕の城巡りの基本は歩くんです。そして石垣の素晴らしさを確かめることもひとつの理由ですね。一昨年は石垣を組みなおす工事中でしたが、今も続いていますがほぼきれいに直っていました。

 青葉城は「伊達政宗像」のみが目的です。伊達政宗は僕の歴史好きの原点ですから、一昨年の写真が失敗した時は非常に落ち込んだものです。ですから、今回はかなり撮りまして10枚ほど笑。
工事中の石垣 脇櫓 伊達政宗像
 青葉城のリベンジを終えるとまだまだ時間がありますからとりあえず仙台駅方面に戻ることにしました。時折、雪が舞う中歩きました。結局バスは使わなかったことになりますね。その途中で仙台市戦災復興記念館という標識があったのでついでに寄りました。仙台市戦災復興記念館は太平洋戦争での空襲に遭ってからの復興に関する展示が主にありました。

 アーケード街を経由して仙台駅に戻りました。時刻は17時過ぎ、日曜日の仙台駅は帰路につく人たちでごった返しています。そして新名所の牛タンストリートも混雑していました。ですから、過去2回ここで食事をした伊達の牛たん本舗はあきらめ、伊達の牛たん本舗駅前通南店にしました笑。そしていつものように牛たん定食(1.5人前)を注文しました。この牛たんはコリコリとして非常においしいんです。スープにとろろ麦飯と満腹になります。

 今夜の宿場は「ホテルグリーンウェル」になります。ちょっとしたチェーン店風な感じがしました。さて内装は標準的でしたね。ほっと一息をついたあと、コートを三脚のコート掛けに掛けたとたんに根元からめきめきと・・・唖然としましたが僕は悪くないのですから慌てる必要はないのですが、一応は壊れた状況などのメモ書きをしておいて翌朝にベッドメイクさんにわかるようにしておきました。何もしていないと壊されたとして訴えられるかもしれませんからね。

 コンビニで明日に備えての買い物をしたり、終電間近の仙台駅を軽くウロウロしたあと入浴して寝ることにしました。
牛たん定食 驚きのホテルグリーンウェル
8日目(仙台→「きたかみ」)
 朝食はモーニングサービスがついていますのでこれで済ませました。内容はバターロールにゆで卵、コーヒーとごく普通ですが、昼食をしのげられるよう食べられるだけ食べました笑。

 さくらのデパート前のバス停から10:35にフェリーターミナルに向かって出発しますので、9時すぎチェックアウトをしてとりあえず仙台駅前をうろつこうと歩き出しました・・・と思ったらとつぜん「ブチっ!!」という鈍い音ともにドラムバッグが傾きました。何?と思ったらあまりにも重さにバッグを結んでいた金具が切れたんですね。旅行はもうないのが幸いでしたが、長年愛用していましたからちょっと悲しかったりします・・・

 10:35にバスは発車するはずですがちょっと遅れて発車しました。と同時に、渋滞が・・・どうやら道路工事中で2車線が1車線に減少され、しかも主要道路ですからなかなか進まないようですね。渋滞を脱出するとスピードを出して間に合わそうとしていますが、カーブで振り回されそうになったり信号無視直前になったりと乗客にすると怖いですよ。これでは6日目の「とまこまい号」と同じですね。結局、定刻より20分遅れでフェリーターミナルに到着しました。出航までまだまだ時間はあるんですし、バスもターミナルでちょっと休憩のようですからもっとゆったりと運転してもらいたいものですね。

 今日利用するフェリーは「きたかみ」です。もちろん指名乗船ということですね。僕は「いしかり」よりも「きたかみ」の方が楽しめますから好きなんです。受付を済ませてちょっとうろついた後に乗船しました。そして仙台港名物のウミネコに見送られて出航しました。
管理人お気に入りの「きたかみ」 仙台港名物(?)「ウミネコ」
 「きたかみ」はゆっくりと南へ針路を向けて進んでいます。昼出航のフェリーというのはあまりありませんから、昼時間の過ごし方は人それぞれです。探検する人は多いですし、プロムナードの椅子に座って読書する人、自室にこもってひたすら寝る人、大海原を見ながら入浴する人、展望室にじっと座りバードウォッチングをする人。。。僕はと言うと船内調査とこの旅を振り返っていました。リベンジは全て終えましたから思い残すことはありません。14:20すぎに最大のイベントがあります。おなじみの僚船とのすれ違いですね。他社のフェリーだとこのようなサービスはほとんどないですから。南からゆっくりとしかしスピードを上げるように迫ってくる「いしかり」。今回はすれ違う直前まで動画として撮ってみましたが、このHPでのアップ方法がちょっと難しいので掲載できません。。。挨拶代わりの「ボー」という長声一発とともにすれ違う瞬間は「いしかり」側の乗客が手を振る様子まで見えるくらい接近しますからすごいですね。すれ違う速度も意外と速いですし、ちょっと揺れましたから写真の構図が難しくて傾いてしまいました泣。(一昨年の写真を利用した「いしかり」から見た「きたかり」のスライドショーはこちらから)
すれ違う「いしかり」 実際はこのくらいに見えます
 すれ違いイベントを終えると後はのんびりと過ごすのみです。自室にこもって寝ているか読書をしているかをしている方が多いと思います。17:30頃に日没となり、きれいな夕日を撮ろうと外に出てくる人がいた以外はいたって静かな船内でした。
 18時になり夕食の時間です。昼食はお菓子で済ませるほど実質は抜きでしたのでかなり空腹でした笑。夕食は2時間ですからたっぷり食べますよ・・・とりあえず全種類食べた後に、オレンジジュースにコーヒー2杯でアイスクリーム付きと吐きそうになるくらい食べ過ぎました(写真の2倍は食べています)。正直後悔するほどです笑。
静かなプロムナード きれいな夕日 食べ過ぎ注意!!
 夕食後はラウンジショーなのですが、今日は歌っぽいので行きませんでした。まあ、苦しいと言う変な理由もあるかもしれませんが笑。ラウンジショーをやっている間は入浴し、とりあえずプロムナードなどでのんびりしました。夜が更けてこれで思い残すことがないころに就寝することにしました。
9日目(名古屋→明石)
 6時過ぎに目が覚めました。やはり船上は朝が苦手なものでも早起きできるようです笑。そして地平線から昇る朝日を、と思ったのですが、今日は軽く雲がかかっていて日の出の瞬間を見ることができませんでした。
最後の朝
 気がつくと伊勢湾に入っていました。北へゆっくりと名古屋港を目指す貨物船を抜かしつつ「きたかみ」の旅はまもなく終わりを告げようとしています。着岸しているRORO船を横に見つつ、名古屋港西大橋をくぐると「きたかみ」は着岸しました。
この風景が見えるとまもなく到着 名港西大橋をくぐって・・・
 名残惜しい着岸でしたがやむ得ないですね。下船直後のバスは混雑しますからいつものように1本遅らせました。バスは頻繁に着ますから慌てる必要はないんですね。さて、今日は名古屋観光を・・・と行きたいところですが、疲れが突然どっとでてきましたし、名古屋は行こうと思えばいつでも行ける場所ですから今日はやめておくことにしました。ということで、名古屋駅に向かうんですね。ルートは・・・いつもだと築地口からの地下鉄を利用して名古屋駅へ行くのですが、この荷物の重さと体力のなさで乗り換えるのは面倒だと言うことで、フェリーターミナル→名古屋港(乗り換え)→名古屋駅へとバスのみで行くことにしました。時間はたっぷりありますから急ぐ必要はないんですからね。名古屋港で乗り換え、名古屋駅へ・・・感想は「バス停の名前に〜橋が多すぎ!!」に限りますね笑。というのも、21ヶ所中11ヶ所に〜橋というバス停名なんです。まあ川沿いに運行して橋の近くにバス停を設けていますからやむ得ないとは思いますが、運転手さんは名前を覚えるのは大変だなあと思いました。

 名古屋駅からは名神ハイウェイバスを利用して京都駅へ・・・高速バスの始発は名鉄バスセンターにシフトしている便がなぜか多くなっていますね。いずれも名古屋駅を経由するのですが、どうせ乗るなら一番前の席がいいですから名鉄バスセンターに向かいました。そこで1時間待ちです。急ぐ必要はないとわかっていても暇ですし、時間がもったいないなあと思いつつも体力がなくなっていますから待つしかないですね・・・やっとバスがやってきて12:00に発車して名古屋を後にしました。

 渋滞に遭遇してもイライラせずにさすが近鉄バス、とうなずくほど安全運転でした。まあ、苫小牧、仙台とはらはら運転に散々でしたからなおさらそう思ったのかもしれませんね笑。バスは順調に名神高速道路へ・・・養老SAを通過すると遠くの山の頂上に雪が・・・やはり前日まで寒波が襲ったのですから山に残雪があるのは当然かもしれませんね・・・と思ったら、休憩の多賀SAでも道端に雪がありました。今回の旅行は雪に始まって雪に終わる雪尽くしの9日間だったのでしょうか苦笑。
名神ハイウェイバス 残雪の多賀SA
 京都駅に到着予定時刻は14:34と電車よりもちょっと時間がかかるのですが、乗り換えの面倒さや着席の保証のなさが名古屋〜米原の欠点ですから、体力のない今ではそんな苦労よりも時間がかかってでも高速バスを選びます。どうせ渋滞に巻き込まれて大幅に遅れようが、あとは明石に帰るのみですから時間の心配はないのですしね。高速バスは京都市内に入るとちょっとした渋滞に巻き込まれて15分程度遅れて到着しました。後は夜まで京都でのんびりとした後に明石に帰りました。そして夕食は函館から送ったタラバガニならぬアブラガニの鍋が待っていました。それはもう美味なものでしたのでおいしければなんでもいいんです笑。(ちなみにアブラガニと知ったのはもっと後日のことです。)
最後に・・・
 旅行から帰ってしばらくすると5日目に泊まった「ホテルサンライト札幌」から自筆の手紙が届きました。内容はアンケートに対する返信なのですが、説明不足で申し訳ないというものでした。お詫びとして朝食券が同封されていたのですが、利用期限が昨年末までになっているということを今になって(このHPは5月20日に作成しました)気づきました。まあ、札幌に行くことは当分ないですからどのみち使わないでしょうけど、直筆で返信をいただいただけでも満足なので今後も利用させていただきたいと思います。

 8泊9日の長期間の旅行となった今回は、リベンジをすると共に色んな覚悟を決めてでの旅行となりました。このような長期間の旅行は当分はないでしょうし、旅行自体を自粛するくらいの覚悟で行きました。結果としては楽しかったですし、思い残すことはありません。次に旅行に出るときは単なる欲求のためではなくて、頑張った自分へのご褒美としてか、度重なるストレスがどうしようもなく発散できなくなったときになるでしょう。しかし、旅に出たとしても日帰りか1泊程度の短い旅行になると思います。でも残された沖縄は義務的に行かないといけないのですが。。。






Copyright(C) mottakun、2002→、HPトップ